「10年後に会おう」というロマンあふれる約束。
それを守るために韓国KBSの『ドキュメンタリー3日』チームが安東(アンドン)駅に向かったが、爆発物設置の通報が入り、残念ながら実現しなかった。
爆発物はなかったことが確認されたが、約束は果たせなかった。
先立って8月8日、『ドキュメンタリー3日』制作陣は公式SNSを通じて、「2015年8月15日の約束、2025年8月15日にここで会いましょう。それで私たちはそこへ向かうことにしました」という文章を投稿し、久しぶりに近況を伝えた。
『ドキュメンタリー3日』は、制作陣が観察した72時間を50分に凝縮して視聴者に届けるドキュメンタリーで、一つの場所で静かに見守りながら少しずつ溶け込む3日間の時間の中で、すれ違いざまに出会う生の瞬間や、偶然の中で見つけた本音を伝える番組だ。
2007年5月に初回放送が始まったが、新型コロナの影響もあり、2022年3月13日に終了した。
久しぶりに公式SNSを更新した理由は、2015年夏の回にあった。当時の制作陣は、鉄道旅行中の全国の若者たちを取材しており、撮影終盤に安東駅で女子大生2人と出会った。
2人は「10年後にまた旅行しよう」と約束し、制作陣にも「ドキュメンタリーをまた撮ってください。10年後に」と伝えた。これに対し制作陣も「その時もこの仕事をしているでしょうか?」「じゃあ2025年8月15日、ここで会いましょう」と応じ、その場で約束が交わされた。
この短くも深い約束は、10年の時を経て人々の記憶に蘇った。
2022年3月の番組終了後も、『ドキュメンタリー3日』復活を求める声が高まり、「10年ぶりの安東駅再会」というロマンが感動を呼んだ。今回の再会が実現すれば、『ドキュメンタリー3日』の新たな始まりになることへの期待も寄せられた。
その後、制作陣は8月14日、SNSで「安東駅に降り立ってすぐの場所にいる『ドキュメンタリー3日』制作陣」という文と共に、安東駅に到着したスタッフの写真を公開。10年ぶりの再会を期待して待ちながら、YouTubeライブでその様子を伝えようとしたところ、多くの人が現場に集まった。
しかし突然、「旧安東駅広場に爆発物を仕掛ける」という通報が入り、再会は実現できなかった。慶尚北道警察庁などによると、同日午前7時37分ごろ、YouTubeライブ配信のチャット欄にその内容が投稿され、警察は近くの交番や安東警察署の初動対応チーム、警察特攻隊などを投入して現場を封鎖・捜索した。
そのためライブ配信は中断され、現場に集まった人々は解散した。
捜索の結果、爆発物は発見されなかった。約2時間50分後に現場の規制は解除され、警察は爆破予告の書き込みを行った犯人を追跡しているという。
爆発物設置が虚偽であったことが判明し、残念さは一層深まった。特に『ドキュメンタリー3日』側がライブ配信のチャットを通じて「現場に女性1人が到着したそうです」と伝え、女子大生2人のうち1人が約束の場所に来ていたことが明らかになっていただけに、その無念さは大きかった。
約束の実現と10年ぶりの再会は叶わなかったため、「この模様が放送されるのか」という質問も相次いでいる。
なお、KBS2『ドキュメンタリー3日 特別版–アバウトタイム』は、8月22日に放送されることが確定している。約束は果たせなかったものの、22日に視聴者と出会うことで、『ドキュメンタリー3日』が新たな始まりを告げるのか注目される。
(記事提供=OSEN)
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