かつては“K-POP界の未来”として同世代はもちろん、シーン全体を牽引していたNewJeans/NJZが、危機に陥っている。
所属事務所との長引く契約問題に加え、最も信頼してきた“Bunnies(バニーズ)”、すなわちファンまでもが静かに背中を向け始めた。
事の発端は昨年末、メンバーの5人は所属事務所ADORとの専属契約を一方的に解除し、新たに開設した独自のSNSアカウントで、新たな活動名の公募を始めたことだった。その後、「NJZ」と称して独自の活動を開始した。
この動きにADORも対応。裁判所へ仮処分申請を提出すると、3月21日にソウル中央地裁がADORの主張を認め、NewJeansの独立活動を事実上差し止める決定を下した。
しかし、メンバーたちは判決に従わず、23日の香港「ComplexCon」で新曲を披露。それだけでなく、海外メディアを通じて「不条理に抗うためだった」などと語ったが世論は悪化。裁判所の判決にも従わないメンバーの今後の活動を、心配する声も多数上がった。
そんななか、27日、HYBE本社前にBunniesの一部が集結し、いわゆる“トラックデモ”を実施。だが、彼/彼女たちのメッセージは応援ではなく、むしろ痛切な警告だった。
「誰のための訴訟なのか」「6人組といったのに違約金はNewJeansの5人分」「勝算のない戦い、天文学的な違約金損害賠償、数々の訴訟。正気を取り戻して」「すでに空白1年。訴訟で3年追加。皆に忘れ去られる」「Bunniesは5人のNewJeansを信じている。でも、危うい道を進ませるわけにはいかない」メッセージ一つひとつが危機意識に満ちていた。
このように、5人を擁護してきたファンや専門家までもが違ったトーンを発し始めている。ファンとして知られるコ・サンロク弁護士は「最初はミン・ヒジン(元ADOR代表)と同調して親会社(HYBE)を攻撃し、他レーベルと所属アーティストを攻撃したが、今は産業を否定し、しまいには司法までも無視して韓国全体を情けない社会に追い込んだ。嫌韓発言まで吐き出すに至った彼女たちが、次に立つ場所はどこか」と苦言を呈した。さらには、違約金や損害賠償など、さらなる法的責任の可能性まで指摘されている。
彼女たちをめぐる“正義”は、もはや単純な善悪では語れないが、少なくとも「共感できない」と感じ始めているファンがいるのも事実だ。このまま進めば、“誰もいなくなった”という状況に陥りかねない。
かつて、FIFTY FIFTYが事務所との衝突でグループ自体の存続すら危うくなったように、彼女たちもまた、“活動の空白”と“支持の喪失”という二重の危機に直面している。
築き上げた人気は一夜では消えない。だが、信頼は一瞬で崩れる。主張を強めるだけでなく、ファンが完全に離れる前にもう少し耳を傾けるべきではないだろうか。
(記事提供=OSEN)
◇NewJeans(NJZ)プロフィール
2022年7月22日にミュージックビデオを公開し、「NewJeans」として電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートイン。所属事務所ADORとの紛争のなか、2025年2月7日にグループ名を「NJZ」に変更すると発表した。
■「正気取り戻して」ファンも限界?NewJeansに“トラックデモ”
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