韓国でパリ五輪への関心が思わしくない。
主要なバラエティ番組やドラマが放送休止を知らせたが、通常放送に戻すべきではないかという声が出るほど、視聴率が伸びないのだ。
7月26日に行われたパリ五輪開会式の視聴率は、累計3.0%であり、チャンネル別ではKBS1が1.4%、MBCが1.0%、SBSが0.6%という結果だった。
東京五輪(2021)開会式の合計視聴率が17.2%(KBS1:8.4%、SBS:4.8%、MBC:4.0%)、リオ五輪(2016)が20.0%(KBS1:9.7%、MBC:5.6%、SBS:4.7%)、ロンドン五輪(2012)が15.5%(KBS1:7.2%、SBS:4.4%、MBC:3.9%)だったことを踏まえると、単純に「低調」という言葉では表現できないほど視聴率が著しく低下している。
視聴率急落の原因は何か。最も大きな理由は、一般の関心からオリンピックが遠ざかってしまったことにある。
オリンピックの低調な視聴率の一因として、時差(7時間)が大きいことも挙げられるが、それはロンドン五輪(時差8時間)の数字を見る限り、大きな原因とは言い難い。
まず、人気競技であるサッカーが出場を逃し、野球が正式競技から外れたことが原因として挙げられる。
サッカー韓国代表は40年ぶりに本戦進出に失敗した。野球はロンドン五輪から正式競技から除外された。2020年の東京五輪で一時的に復活し、2028年のロサンゼルス五輪で再び正式競技として復帰する予定だが、パリ五輪にはない。
そのためサッカーファンや野球ファンの関心を引くことができないまま、オリンピックが始まった。現在、韓国ではプロ野球の人気が非常に高く、歴代最少試合数で700万人の観客動員数を突破し、シーズン全体の満員試合数は137回に達している。歴代最高の平均観客数を記録し、初の“1000万人動員”が期待される状況だ。これではチャンネルが変わる余地がない。
一部の放送関係者の間では、オリンピック開始前からある程度の視聴率の低下を予測していたというのが共通認識だった。
とある放送局の関係者は「今回のパリ五輪には、以前よりもはるかに少ない(韓国の)選手が派遣されており、人気競技の中継もない。人気のない競技で素晴らしいストーリーがなければ注目を集めるのは難しい」と説明した。
続けて「プロ野球の人気は高騰している。野球を見ている人々が同じ時間帯にオリンピック中継にチャンネルを変えるのは難しいだろう。時差が大きい点もあるが、アーチェリーは視聴率が良かった。なぜなら始まれば、決勝まで行くから。一度視聴し始めると集中してしまうため、チャンネルを変えないのだ」と話した。
さらに、「水泳の場合、午前4時頃に2分ほどの競技が終わる。次のラウンドに進出しても翌日の競技だ。待って視聴するのは難しい状況」と述べ、「深夜の中継は週末でなければ視聴率を期待するのは難しい」と付け加えた。
また、メダル圏内が期待されたファン・ソヌが競泳男子自由形200m予選で脱落するというアクシデントが起きたことで、200m決勝中継に集中していた放送局も衝撃を受けた状況だ。
さらにパリ五輪は、開始から韓国選手団に失礼を働き、国民の怒りを引き起こしたことも視聴率低下の原因とされる。
開会式で「韓国(Republic of Korea)」を「北朝鮮(Democratic People’s Republic of Korea)」と紹介し、フェンシング男子サーブル個人戦で韓国選手団初の金メダルを獲得したオ・サングク(Oh Sanguk)を「オ・サング(Oh Sangu)」と表記して、怒りを招いた。
韓国の地上波3局は、主要なバラエティ番組やドラマを2~3週ほど放送休止し、オリンピック中継に力を入れているが、低調な視聴率と冷めた反応により、うまくいっていない。
それでも韓国選手の金メダル獲得が続くにつれ、視聴率も上昇傾向にあり、放送局は今週末の反発を狙っている。
(記事提供=OSEN)
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