サッカー韓国代表FWソン・フンミン(32、トッテナム)の父親が運営するサッカースクールで発生した児童虐待疑惑に関して、スポーツ界による本格的な調査が始まった。
韓国政府・文化体育観光部の傘下機関で、国内におけるスポーツ分野の人権保護及び不正申告機関であるスポーツ倫理センターは7月17日、本サイト提携メディア『OSEN』の電話取材に「SONフットボールアカデミーに対する申告が今月中に受け付けられ、本格的な調査に乗り出すことになった」と明らかにした。
SONフットボールアカデミーは、監督を務めるソン・ウンジョン氏、ソン・フンミンの実兄でコーチのソン・フンユン氏ら指導者3人が、アカデミーに所属するA君に対する暴言や体罰などで訴えられた。
3人は児童福祉法上の児童虐待の疑いで送致され、検察の調査を受けたことが確認された。
ソン・ウンジョン氏は去る6月26日、立場文を通じて「最近、アカデミーの練習中にあった乱暴な表現と、体力トレーニング中になされた体罰(うつ伏せの状態にさせ、コーナーフラッグで太もも付近を殴る行為)に関して、現在、捜査が進行中だ」と明らかにした。
続けて、「心の傷を受けた子どもとその家族の方々に深い謝罪の意を伝え、このような議論を起こすことになった点について、国民の皆様にお詫び申し上げる」としつつも、「告訴人の主張事実は真実と異なる部分が多い。アカデミー側は事実関係を歪曲することも隠すこともなく、加減なく明らかにし、捜査に積極的に協力している」と説明した経緯がある。
特にソン・ウンジョン氏は、「すべてをかけて誓うが、アカデミーの指導者たちの行動において、子どもたちに対する愛が前提とならない発言や行動は決してなかった。我々はお金を稼ぐため、生計を維持するためにアカデミーを運営するのではない」と訴えた。
その後、ソン・ウンジョン氏側の弁護を務めるキム・ヒョンウ弁護士とA君の父親との間で交わした会話の録音記録が公開され、話題を集めた。A君の父親がキム弁護士に対し、「5億ウォンを受け取ってくれれば1億ウォンを渡す」と裏取引を提案したことが明らかになったためだ。
スポーツ倫理センターは今月2日、SONサッカーアカデミーの指導者に対する職権調査が必要なのか事前調査中であると明らかにしている。事前調査は、公式な調査に先立って行われる初期段階の調査過程だ。届出内容や届出者に対する調査などが該当する。
事前調査は本来、申告や陳情が受け付けられなければならないが、SONサッカーアカデミーの場合は倫理センターの職権で始まった。
スポーツ倫理センターでは昨年、慣行と伝統を重視し、実業団に入団した体操部卒業生が受け取った契約金の一部を強制的に徴収した疑惑が浮上した韓国体育大学を対象に職権調査を行ったことがある。
センター関係者は「申告が受け付けられ、本格的な調査に乗り出すことができるようになった。事前調査が行われたため、周辺人物または参考人調査、被害者(加害者)調査に弾みがつく可能性がある」としつつも、「検察起訴とは別に進行される可能性がある。最大150日かかるが、90日以内に終えられる可能性が高い」と説明した。
スポーツ倫理センターは事件の調査終了後、その結果を被害者、被申告者及び関連機関に伝えるとともに、懲戒や処罰、法的対応などに乗り出す。これにより、指導者の指導資格喪失や、アカデミーの営業停止がなされる場合もある。
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