横浜FMと蔚山現代が「旧知のような初対面」と言えるワケ ユ・サンチョルさんは「両者繋ぐ大きな礎」

韓国Kリーグ2連覇中の王者・蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が、ACL準決勝で対戦する横浜F・マリノスとの“繋がり”を紹介した。

【画像】蔚山、横浜FM戦でユ・サンチョルさん追悼グッズ販売

来る4月17日、ホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で横浜FMとのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦を戦う蔚山。

事実上の“東地区決勝”に向けて、クラブは15日に「メディアプレビュー」を公開した。

まず注目ポイントに挙げたのは、蔚山と横浜FMが今回の準決勝で“初対決”という点だ。

「蔚山と横浜FMはともに両国を代表するクラブだが、今回のマッチアップがアジアの舞台でお互いを相手にする初の試合となる予定だ」と伝えた蔚山は、「蔚山はこれまでACLに計12回出場し、(横浜FM含め)グループステージと決勝トーナメントで計9つの日本のクラブと対戦してきた。このうち、半分の6回は川崎フロンターレを雌雄を争った」と、過去のJリーグ勢との対戦歴を振り返った。

クラブによると、蔚山はこれまで鹿島アントラーズ(1997-1998、2017年)、東京ヴェルディ(2006年)、名古屋グランパス(2009年)、FC東京(2012、2020年)、川崎フロンターレ(2014、2018、2019、2021、2022年、2023-2024)、浦和レッズ(2019年)、ヴィッセル神戸(2020年)、ヴァンフォーレ甲府(2023-2024)といったJリーグ勢と対戦してきた。そして今回、9クラブ目のJリーグ勢として横浜FMと相まみえる。

また、蔚山は“もう一つの特異点”として、前身の日産自動車サッカー部時代も含めた横浜FMのアジアでの戦いぶりについて「横浜FMはJ1リーグ優勝5回、天皇杯優勝7回という輝く記録を持ち、名実ともに名門の仲間入りを果たしている。だが、まだアジアクラブトーナメントの舞台では、1989-1990シーズンの準優勝が最高成績となっている」と紹介。注釈として、「準優勝当時の大会は“アジアクラブ選手権”であり、クラブ参加名は“日産自動車”だった。現在のAFCチャンピオンズリーグでは(現時点で)準決勝進出がクラブ最高記録」と伝えた。

蔚山と横浜FMを繋ぐ“レジェンド”

続けて、もう一つの注目ポイントには「これがまさに“旧知のような初対面”の理由、お互いがこんなにも見慣れている理由」とし、両チームに関わりのある人物を紹介した。

まずは「前・横浜FM→現・蔚山現代」の人物として、蔚山所属のFWユン・イルロク(32)と池田誠剛フィジカルコーチを紹介。

ユン・イルロクについては「2018年シーズンに横浜FM移籍、2019年シーズンは済州ユナイテッドにレンタル移籍」、池田コーチについては横浜マリノス時代含め「1997~2007年の約10年間でフィジカルコーチとして活躍、所属当時J1リーグで2度(2003、2004年)、Jリーグカップで1度(2001年)優勝」と経歴を伝えた。

池田誠剛
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)池田誠剛フィジカルコーチ(中央)

逆に「前・蔚山現代→現・横浜FM」の人物には、「蔚山ユースチームの現代(ヒョンデ)中学(U-15)、現代高校(U-18)出身で、フランスのヴァランシエンヌでプロデビューを果たし、カタールの舞台を経て横浜FMに移籍」としてMFナム・テヒ(32)、「2022年シーズンに蔚山にレンタル移籍し、蔚山の17年ぶりリーグ優勝に貢献した」としてMF天野純(32)を紹介した。

ほか、現在の横浜FMには2016~2020年に蔚山に所属し、2020年のACL優勝を経験した津越智雄フィジカルコーチもいる。

天野純
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)天野純

そして最後、蔚山が特筆して挙げたのがユ・サンチョルさんだ。

「蔚山で1994年にデビューし通算9シーズン所属、また横浜FM所属で4シーズンプレーし、両クラブにおいて“レジェンド”の仲間入りを果たしたユ・サンチョルさんも、両チームを繋ぐ大きな礎だ」

「ユ・サンチョルさんは現役時代、蔚山で各2度のKリーグ優勝(1996、2005年)とリーグカップ優勝(1995、1998年)、横浜FMで2度のリーグ優勝(2003、2004年)を導いたことがある」

ユ・サンチョル
(写真=蔚山現代)現役時代のユ・サンチョルさん

また、韓国代表としてアジアカップにも出場した右サイドバックであり、蔚山の絶対的主力として活躍するDFソル・ヨンウ(25)とユ・サンチョルさんの“縁”についても「多くの人々の感動を誘う」とし、次のように紹介した。

「蔚山のユースチーム出身で現代中学、現代高校を経て蔚山大学に進学したソル・ヨンウは、当時(蔚山大サッカー部)監督だったユ・サンチョルさんの勧めで、ウィングフォワードからサイドバックにポジションを変更した」

「当時を回想するインタビューで、ソル・ヨンウは“DFとMFの2つのポジションをこなす(ユ・サンチョル)監督のようになりたかった”と明かしたことがある。さらに、ソル・ヨンウは2021年末のKリーグ年間表彰で新人賞を受賞した際、受賞コメントでユ・サンチョルさんへの感謝を伝え、多くのサッカーファンに感動をもたらした」

「現在、ソル・ヨンウはユ・サンチョルさんが2002年シーズンの蔚山所属当時に着用した背番号66番を付けて試合に臨んでいる」

ソル・ヨンウ
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ソル・ヨンウ

試合当日は「ユ・サンチョルさんメモリアルイベント」として、追悼グッズ販売や追悼映像の送出など、スタジアムを両クラブの“共通レジェンド”に思いを馳せる空間に作り上げる蔚山。

初対戦ながら深い縁を持つ横浜FM相手に、ACL準決勝の舞台で意義ある戦いを繰り広げる。

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