“人権侵害行為”で1年間の資格停止処分を下された韓国女子バレー選手が、所属チームとの契約も解除された。
韓国バレーボール連盟(KOVO)は2月27日、Vリーグ女子部のペッパー貯蓄銀行AIペッパーズに所属するオ・ジヨン(35)の人権侵害行為に関する第2次賞罰委員会を開催した。
賞罰委員会では、オ・ジヨン及び被害者に挙げられた選手を再出席させたほか、ペッパー貯蓄銀行関係者にも疎明の機会を与え、チームの参考人の供述を確認するなど、正確な事実関係把握のために万全を期した。
その結果、オ・ジヨンがチームメイトに対するいじめや暴言など、人権侵害行為を犯していた事実が確認された。
賞罰委員会は「このような行為は重大な反社会的行為であり、今後プロスポーツで清算されなければならない悪習だ。二度と類似の行為が再発しないよう制裁することにした」とし、選手人権保護委員会第10条第1項第4号、賞罰既定第10条第1項第1号及び第5号、賞罰既定別表1懲戒及び制裁金賦課基準(一般)第11条第4項及び第5項に基づき、オ・ジヨンに「1年間の資格停止」という懲戒を下すことを決定した。
賞罰委員会はペッパー貯蓄銀行に対し、選手管理に万全を期することを要請した。
このKOVOの決定を受け、ペッパー貯蓄銀行は同日に報道資料を通じて立場を発表。オ・ジヨンとの契約を27日付で解除したことを明らかにした。
ペッパー貯蓄銀行は「チーム内の問題によって、AIペッパーズを大事にしてくださるファンの皆様とバレーボール連盟、バレーボール関係者の方々にご心配をおかけし、申し訳ありません」とし、「AIペッパーズは内部調査を通じてオ・ジヨン選手による人権侵害行為の事実を把握後、直ちに選手団から排除し、バレーボール連盟に申告しました」と報告。
「今後は選手の権益保護と再発防止に万全を期します。ご心配をおかけしたことをもう一度お詫び申し上げます」と謝罪した。
オ・ジヨンは以前、ペッパー貯蓄銀行の後輩選手B氏、C氏をいじめた疑惑を受けた。
昨年、先輩であるオ・ジヨンから継続的ないじめを受けたことで、B氏とC氏は昨年末にチームを退団。ペッパー貯蓄銀行は2人の退団後、オ・ジヨンの不適切な行為を把握し、KOVOホームページの苦衷処理センターを通じて関連内容を申告した。KOVOはペッパー貯蓄銀行の申告を受け、23日に初の賞罰委員会を開いた。
ただ、連盟は初の賞罰委員会で当該選手の懲戒可否を決めることができなかった。
KOVOは当時、「賞罰委員会が選手たちが提出した資料及び疎明を通じて本件を綿密に検討したが、より慎重な事実関係把握のため今回の会議を修了し、来週火曜日の27日に賞罰委員会を再開催する」と明らかにしていた。
韓国バレーボール界としては衝撃的なニュースだ。
1988年7月11日生まれのオ・ジヨンは、2006年の新人ドラフトを通じて韓国道路公社ハイパスに入団。以降はKGC人参公社、GSカルテックス・ソウルKIXXを渡り歩いた。
そして2022年12月、ペッパー貯蓄銀行が2024-2025シーズンのドラフト1ラウンド指名権とのトレードでGSカルテックスからオ・ジヨンを獲得した。当時も契約にGSカルテックス戦での出場禁止条項が含まれていたことがわかり、物議を醸していた。
それでも、オ・ジヨンはVリーグを代表するリベロとして選手生活を過ごしてきた。2021年夏の東京五輪にも女子バレー韓国代表の一員で出場し、ベスト4進出を経験している。
そんな実績あるオ・ジヨンが、“後輩いじめ”によって自らのキャリアに泥を塗ることになった。
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