蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)の元日本代表MF江坂任(31)が、ヴァンフォーレ甲府との“国立日韓戦”を振り返った。
江坂は2月21日、国立競技場で行われた甲府とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦第2戦で先発フル出場。チームの2-1の勝利に貢献した。第1戦を3-0で制していた蔚山は2戦合計スコア5-1とし、準々決勝進出を果たした。
第1戦では後半から途中出場も、今回は先発起用となった江坂。MFイ・ドンギョン(26)、MFコ・スンボム(29)と組んだ中盤でトップ下での出場が予想されたが、実際にはボランチの位置でゲームメイクに徹した。
「ボランチも一つのポジションとして、昨季の終盤は何試合か(ボランチで)出ていました」と不慣れさはなかったという江坂。甲府が前線からプレスを仕掛けてきたことに対しては、「アーダーム・マルティンもいたので、上手くロングボールを使いながら、セカンドボールも狙っていました」と攻略法を明かした。
実際、前半11分には自陣深くでボールを奪取した蔚山DFが前線にロングボールを放ると、アーダームの落としを江坂が胸トラップ。そこから右サイドに走り込んだイ・ドンギョンへ浮き球パスで展開すると、最後はFWキム・ジヒョン(27)の先制ゴールが生まれた。自身のパスを起点にカウンターに繋げたこの場面も、江坂曰く「チームとしてイメージ通りだった」という。
また、J2リーグ所属ながら2022年年度天皇杯王者として、ACLベスト16まで勝ち上がった甲府との対戦を振り返り、「首位でグループを突破していましたし、日本のレベルが上がっているなと感じます。第1戦も一番最初にピンチになったのは自分たちの方で、あそこで失点していたらわからなくなっていたのかなと。最後は完勝でしたが、本当に難しい試合ではありました」と語った。
試合後には蔚山が甲府ゴール裏、甲府が蔚山ゴール裏とお互いのファン・サポーターに挨拶する場面もあった。
「温かく迎えていただいたこともありますし、“甲府の分も頑張るぞ”という部分もあったのかなと思います」と江坂。
「多くのサポーターが来てくれていましたし、最後自分がスタジアムから出るときも大きな拍手をもらって、本当にありがたい気持ちになりました」と、国立の雰囲気を作り上げたサッカーファンたちへの感謝を伝えていた。
ちなみに、江坂はインタビューを終えてFWピーター・ウタカ(40)とユニホーム交換。ともに笑顔で記念撮影をした後、仲間の待つバスに乗り込んだ。
(取材・文=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)
前へ
次へ