浦和レッズとAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで激突する浦項(ポハン)スティーラーズが、過密日程のなかでの相次ぐ主力離脱で正念場に立たされている。
スプリット方式が採用されているKリーグ1(1部)では、第1節から第33節までを全12チーム3回総当たりで行った後、「ファイナルラウンド」として第34節から第38節までを上位と下位6チームずつ2グループに分け、各チーム5試合ずつ実施する。
浦項は第33節を終えて15勝13分5敗の勝ち点58を記録し、12チーム中2位でファイナルA(上位グループ)に進出した。
勝ち点67で首位の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)とは9ポイント差と離されている一方、勝ち点54で3位の光州(クァンジュ)FCには4ポイント差まで迫られている。
そんなシーズン最終盤のリーグ戦上位争いと同時に、浦項はACLとFAカップも戦わなければならない。
問題は、チームの核となる絶対的主力2選手の負傷離脱だ。
DFヴァンデルソン(34)、MFオーベルダン(28)のブラジル人選手2人がほぼ同時期に戦列を離れたのだ。
ヴァンデルソンは去る9月30日の蔚山戦で、相手選手と競り合う過程で右下顎骨を骨折する怪我を負い、手術を余儀なくされた。
6週間以上の治療期間が予想されており、実戦投入まではさらに時間がかかることから、事実上のシーズンアウトと見られている。
また、今季公式戦(リーグ戦、カップ戦、ACL)全試合で先発フル出場を続けていたオーベルダンも、10月8日の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス戦で左膝内側側副靭帯断裂の重傷を負った。
こちらも回復まで6~8週間を要すると予想されており、シーズン終了までに復帰できるかは未知数だ。
オーベルダンは今季新加入の選手であるものの、今やチームに欠かすことのできない存在だ。
豊富な運動量、堅固な守備力でチームの好調ぶりをけん引していただけに、彼の負傷離脱は浦項にとって致命的だ。
浦項は10月の代表戦が終了した後、来る20日にホームの浦項スティールヤードで仁川(インチョン)ユナイテッドとのリーグ戦第34節を戦う。
以後、中2~3日での連戦が続く。
まず、24日はアウェイの埼玉スタジアム2002で浦和とのACLグループステージ第3節に臨む。
直後、すぐに韓国に戻り、今度は28日にアウェイの全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとのリーグ戦第35節をこなす。
そして、11月1日も敵地に乗り込み、済州(チェジュ)ワールドカップ競技場で行われるFAカップ準決勝で済州ユナイテッドと対戦。
もしこの試合で勝てば、同月4日のFAカップ決勝に進出する。決勝はホームで戦えるとはいえ、中2日での連戦は大きな負担にならざるを得ない。
その後、11月8日にホームで行われる浦和とのACLグループステージ第4節を経て、12日にはアウェイの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で今季最後となる蔚山との“東海岸ダービー”を戦う。
2019年4月からチームを率いて5年目となるキム・ギドン監督は、選手のポジション変更を通じて主力離脱による戦力低下を最小限に抑えている。
ヴァンデルソンが離脱後には、DFパク・スンウク(26)が彼の代わりに左サイドバックを務めている。
ただ、本来パク・スンウクは右サイドバックの選手であるため、完璧に穴を埋めたとは言い難い。
幸い、ベテランのDFシン・グァンフン(36)が復帰して右SBをこなしているものの、元ウィンガーであるヴァンデルソンの爆発的なスピードを活かすことができないのは残念な部分だ。
オーベルダンの空白も同様だ。
杭州アジア大会金メダルを獲得したU-24韓国代表メンバーのMFコ・ヨンジュン(22)が復帰するため、MFキム・ジョンウ(30)をボランチで起用することはできる。
それでも、オーベルダンがこなしていた守備の役割、攻守のつなぎ役を100%カバーすることはできない。
中盤でもプレーできるシン・グァンフンやパク・スンウクを守備的MFとして起用する方法もあるものの、そうなるとサイドバックが手薄となる。
シーズン前半に左サイドバックで出場を続けていたDFシム・サンミン(30)は、負傷からの復帰の見通しが立っていない。
国内2つのタイトルがかかったシーズン終盤、ACLも並行するなかで厳しい台所事情となっている浦項。キム・ギドン監督の悩みは深まるしかない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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