韓国を越えてアジア初の偉業だ。
今やワールドクラスに成長した「韓国産怪物センターバック」ことDFキム・ミンジェ(26、バイエルン・ミュンヘン)が、世界最高のサッカー選手に贈られるバロンドールの最終候補30人に選ばれた。
アジア人DFが30人に入るのはキム・ミンジェが初めてだ。
バロンドールを主管するフランスのサッカー専門誌『フランス・フットボール』は9月7日(日本時間)、2023年のバロンドールの候補選手30人を発表。そのなかにキム・ミンジェも含まれた。
ある意味当然の結果だ。
キム・ミンジェは2022-2023シーズン、ナポリの不動のセンターバックとして活躍し、チームを33年ぶりにセリエA制覇に導いた。ナポリのリーグ優勝は、元アルゼンチン代表FWディエゴ・マラドーナさんが在籍した1989-1990シーズン以来だっただけに、大きな意味を持つタイトル獲得だった。
キム・ミンジェは持ち味の破壊的な守備、俊足を活かしたビルドアップ、正確なパスを駆使してイタリアの舞台を支配した。
ナポリはリーグ最少失点を記録し、キム・ミンジェはアジア人として初めてセリエA最優秀DFに輝いた。カテナチオで知られるイタリア、その国の最上位リーグであるセリエAでアジア人DFが最高の座に上がったことだけでも輝かしい業績だ。
このような価値が認められ、キム・ミンジェは今夏の移籍市場で「ビッグクラブ中のビッグクラブ」と呼ばれるドイツ・ブンデスリーガの名門バイエルンに加入。新天地でもやはり主力センターバックとして活躍している。
韓国人選手がバロンドールの最終候補に残ったのは史上4人目だ。
第1号は2002年にベルギーのアンデルレヒトでプレーしたソル・ギヒョン(現・慶南FC監督)。以後、2005年にマンチェスター・ユナイテッド所属のパク・チソン(現・全北現代テクニカルディレクター)が候補に挙がり、トッテナムのFWソン・フンミン(31)は韓国人選手で唯一2回(2019年、2022年)候補に選ばれた。
ソン・フンミンのバロンドール最終順位は2019年が22位。2022年は2021-2022シーズンのプレミア得点王を受賞したこともあって11位だった。
韓国以外でバロンドールの候補に選ばれたアジア人選手は、日本の中田英寿(1998年、1999年、2001年)、稲本潤一(2002年)、中村俊輔(2007年)、イラクのユニス・マフムード(2007年)などがいる。
ただ、韓国は唯一、5回も最終候補者を輩出した。特に、キム・ミンジェがアジア人DF初の候補と言う点で大きな意味がある。
なお、バロンドールの最終受賞者は、10月30日にパリで行われる授賞式で発表される予定だ。
◇キム・ミンジェ プロフィール
1996年11月15日生まれ。慶尚南道・統営市出身。身長190cm、体重86kg。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表。ポジションはセンターバック。バイエルン・ミュンヘン所属。韓国ナショナルリーグ(セミプロ、3部相当/現K3リーグ)の慶州韓国水力原子力FCを経て2017年に全北現代モータースでプロデビュー。以降、北京国安(中国)、フェネルバフチェ(トルコ)を経由して2022年夏にイタリア・セリエAのナポリに加入し、2022-2023シーズンにチームを33年ぶりリーグ制覇に導くとともに、自身もセリエA最優秀DFを受賞した。2023年7月、ドイツ・ブンデスリーガで11連覇中の王者バイエルンに完全移籍した。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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