サッカー韓国代表キャプテンのFWソン・フンミン(30、トッテナム)までもが、サウジアラビアの“レーダー”にかかったようだ。
アメリカのスポーツ専門メディア『ESPN』が6月20日(日本時間)までに報じたところによると、サウジアラビアのアル・イテハドは、ソン・フンミン獲得のために6000万ユーロ(約93億円)の移籍金をトッテナムに支払う意思があるという。
最近では元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(35)の獲得を発表して大きく話題を集めたアル・イテハドは、ソン・フンミンの心も掴むために個人条件の面で破格的なオファーをするものとみられる。
年俸3000万ユーロ(約46億円)で、4年間の長期契約を結ぶというのがアル・イテハド側が提示した条件だ。4年で計算すると1億2000万ユーロ(約186億円)に達する超大型契約となる。
ソン・フンミンは現在、約1000万ポンド(約18億円)の年俸を受け取っているとされている。これが瞬く間に3倍近くも跳ね上がるわけだ。1992年生まれで7月に31歳の誕生日を迎えるソン・フンミンの立場としては、破格的なオファーと見ることができるだろう。
サウジアラビアは最近、欧州のスーパースターを獲得するために強力なオイルマネーを投入している。
ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(38、アル・ナスル)がその始まりとなり、ベンゼマも隊列に合流した。
そのほかにも、元スペイン代表MFセルヒオ・ブスケツ(34)、元同代表DFセルヒオ・ラモス(37)、フランス代表MFエンゴロ・カンテ(32、チェルシー)、元チリ代表FWアレクシス・サンチェス(34、マルセイユ)、元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWエディン・ジェコ(37、インテル)など、多くのベテラン選手がサウジアラビア方面からラブコールを受けている。
欧州とは次元の異なる巨額の資金が投資されるだけに、相次ぐ移籍が予想される。
特にカンテの場合、年俸860万ドル(約12億円)でのアル・イテハド合流が確実の見通しだ。アル・イテハドはベンゼマ、カンテ、そしてソン・フンミンまで獲得し、超豪華ラインアップを構想したいようだ。
特異な点としては、ソン・フンミンの場合は巨額の移籍金が発生し、アル・イテハド側が望む契約期間も長期だという事実だ。
通常であれば、移籍金がかからず1~2年の短期契約で済むベテラン選手たちがサウジアラビアとつながる。移籍金を支払う必要がないため、個人の条件を合わせれば良い。
ただ、ソン・フンミンは2025年夏までトッテナムと契約を結んでおり、仮に移籍する場合は莫大な移籍金が発生する。
にもかかわらず、アル・イテハドはほかの選手よりも長い4年契約を提示した。それだけ、アジア最大のスーパースターであるソン・フンミンをより特別な存在として認識していると解釈できる。
もっとも、ソン・フンミンのサウジアラビア行きが現実となる可能性は低い。そもそも、所属チームのトッテナムがオファーに関心を持っていないからだ。
『ESPN』によると、トッテナムはソン・フンミンの移籍を考慮していないという。
30歳を超えた選手を6000万ユーロという高額で売却できれば、直ちに資金が潤沢にはなるが、チームの戦力を考えれば移籍は不可能だと判断したわけだ。
来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権はおろか、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の出場権も逃したトッテナムが再起を果たすには、ソン・フンミンは必要不可欠な存在だ。
それだけに、例えサウジアラビアの巨大資本でさえも、トッテナムから「OK」サインを受け取ることは難しいものとみられる。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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