昨シーズンまでJ2リーグのジェフユナイテッド市原・千葉の監督を務めたユン・ジョンファン氏が、母国Kリーグで貴重な経験を積み上げている。
2023年シーズンからKリーグアンバサダーを務めるユン・ジョンファン氏は現在、韓国のスポーツ専門チャンネル『スカイスポーツ』で解説も務めている。
5月7日に本紙『スポーツソウル』の電話取材に応じたユン氏は、「これまでやったことのない解説をしようとしているのだから、簡単ではない。監督経験を活かして説明しているが、状況に応じた解説が必要だと感じている。自分の声をもう一度聞くことがぎこちない。まだ足りない部分が多いし、点数を付けるほどの実力ではない。妻が私の解説を毎回聞いて、アドバイスをしてくれる。コーチの役割をしている」と笑いながら伝えた。
また、「サッカーの監督が職業なだけに、Kリーグを知るうえで役に立つ。今はある程度(各チームの)選手を把握できている」と述べた。
Kリーグ1(1部)はシーズン序盤が経過した。第11節終了時点で、昨季王者の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が2位FCソウルと8ポイント差で首位を独走しているが、ユン氏はKリーグの勢力図とトレンドをどう捉えているのだろうか。
「蔚山現代が非常に良いスタートを切った。実力も当然ながら、運もついてきているようだ。内容が良くなくても結果を得られている」とし、「水原三星と全北現代が下位にいることが疑問だ。チームが上手くまとまっていない感じがした。以前からやってきたサッカーが現れていない」と強調した。
また、「光州FCは内容こそ良いが結果が伴っていない。相手チームが分析し、上手く対応している。こうした相手を勝ち抜いてこそ、上位に跳躍できるのではないだろうか。浦項スティーラーズ、FCソウル、済州ユナイテッドなどが蔚山をけん制すると思うが、蔚山のリズムをどのチームが断ち切るかも関心事だ」と状況を見通した。
ユン氏はかつて2015~2016年に蔚山現代の指揮を執ったが、当時と比較して現在のKリーグが変わった部分があるという。
「FWからプレスをかける場面がよく見られる」とし、「2022年カタールW杯以降、ポジションを“破壊”するチームが目立つようになった。ソウルや光州が特にそうだ。右サイドに配置された選手が左サイドでプレーするなど、ポジションのローテーションが良く発生している」と分析した。
ユン氏は現役時代にセレッソ大阪やサガン鳥栖で活躍し、引退後は鳥栖でコーチを経て2011年に監督に就任。2014年まで鳥栖を率いた。以後、蔚山現代の2年間を経て2017~2018年にC大阪、2019年にタイのムアントン・ユナイテッド、そして2020~2022年にジェフ千葉の監督を務めた。
そして、現在はKリーグで解説やアンバサダーとして活躍するユン氏だが、指導者復帰を考えていないわけではない。
ユン氏はキム・ビョンス新監督を招へいした水原三星(スウォン・サムスン)の候補にも含まれていたほか、キム・サンシク前監督が辞任して現在空席状態の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)の新監督候補にも挙げられている。
「Kリーグを開幕戦から見て分析したのは、実は今回が初めてだ」というユン氏は、「いつか私を望むチームがあればKリーグに再び挑戦してみたい。だからこそ、今の時間がとても大切だ。私の考えも戦術も変わり、勉強もたくさんした。以前とは異なる方法でアプローチをしたいと思っている」と意欲を示した。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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