3月23日、韓国プロ野球ロッテ・ジャイアンツはNCダイノスとオープン戦を行う予定だったが、雨天中止となった。
レギュラーシーズンを控えた状況で、貴重なテストの場が減るのは残念なことだ。しかし、ロッテにとっては些細な問題だと言えるだろう。
なぜならば、皆を当惑させるほどの大問題が発生したからだ。球団は現在、真相の把握に汲々としている。
投手ソ・ジュンウォン(22)の犯罪が球団に初めて伝えられた。釜山(プサン)地方検察庁女性児童犯罪調査部によると、ソ・ジュンウォンは昨年8月、SNSのオープンチャットを介して会った未成年に、身体の写真を撮って転送するように指示したという。
これは児童・青少年の“性搾取物”を製作した疑いに繋がり、児童・青少年の性保護に関する法律違反(性搾取物製作配布など)容疑が適用されたのだ。
非常に厳重な事案だ。警察は事件を調査し、ソ・ジュンウォンを検察に送致したあと、補強捜査を経て拘束令状まで請求した。ただし、裁判所は逃走の恐れがないという理由で拘束令状請求は棄却している。
あわや、マウンドで堂々とボールを投げていた現役野球選手が、法廷拘束される惨憺たる事件につながるところだった。結局、拘束がされなかっただけで在宅起訴が確定し、裁判に付されることになった。
問題は、ソ・ジュンウォンが在宅起訴までされるほどの重大犯罪に関与していたにもかかわらず、球団は全く知らなかったということだ。
実際、選手一人ひとりを調査できる捜査機関でない球団は、選手に事件が発生した際、法的措置が取られるまでは選手の言葉を信じるしかない。球団は個人事業主と同様の選手を追及し、把握するには限界がある。
結局、ロッテもソ・ジュンウォンの容疑に対する質問に、選手の言葉を信じて対応せざるを得なかった。事件はなんと昨年8月に発生していたのだが、ソ・ジュンウォンは普段と変わりなく春季キャンプに参加し、あまつさえはオープン戦で登板までした。
拘束令状審査前日だった3月20日、サムスン・ライオンズとのオープン戦でも登板していたソ・ジュンウォンは、最速149kmのファストボールを披露し、今シーズンに対する期待感を高めたばかりだった。
球団の選手を信じるという言葉とは裏腹に、ソ・ジュンウォンの容疑はほとんど事実だったようだ。
球団関係者は「球団関係者全員が今日(3月23日)ソ・ジュンウォンの容疑を知った。ソ・ジュンウォンもこれを認めている」と説明。拘束令状実質審査を受けた日には「詐欺被害者」と事実を隠した。選手が決心して隠すと、球団も呆然としてやられたわけだ。
何より、貴重な才能を持ったソ・ジュンウォンの成長への支援を惜しまなかった球団にとっては、裏切られた気持ちは計り知れないものだろう。期待が大きかっただけに、ダメージは数倍にも膨らんだはずだ。
2019年に1次指名で入団したソ・ジュンウォンに対して、ロッテは3億5000万ウォン(約3500万円)もの契約金を提示。また、ソ・ジュンウォンの成長のため、昨年はオーストラリアリーグのジーロンコリアにも派遣していた。
そして迎えた今年、ソ・ジュンウォン自身もアマチュア時代の才能を取り戻すために努力した、球団の皆が期待していた。
結局、球団はソ・ジュンウォンが容疑を認めると即座に決断。直ちに球団懲戒委員会を開き、最高処分である退団決定を下したのだ。発表当時には起訴の可否は決まっていなかったが、球団は「起訴可否と関係なく」と強い表現を用いてソ・ジュンウォンに鉄槌を下している。
実際、ソ・ジュンウォンの自己管理と私生活に関して、球団関係者や選手団内部でも雑音が多かった。それでも球団は悩みの種として扱わず、いつかロッテのマウンドを率いる才能として大切に育ててきたのだ。
自己管理ができなくても言い聞かせ続けた結果、ソ・ジュンウォンも自身を省みたことで、今年こそ潜在能力を爆発させるという直前での出来事だったことから、より失望は大きい。
ロッテの未来と思われていたソ・ジュンウォンの野球人生は、このまま終わる可能性が高くなった。
ロッテはこの事実が知らされると沈鬱なムードに包まれるしかなく、「ソ・ジュンウォン」という名は禁止ワード扱いになってしまった。
球団は裁判でソ・ジュンウォンの容疑が認められる可能性が高いと内部的に判断している。
(記事提供=OSEN)
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