そんな韓国代表は大きな批判と非難を浴びながら、3月14日に帰国した。選手たちは追われるように早々に姿を消し、イ・ガンチョル監督だけが残って「過ちは私にある。批判は私にしてほしい」と頭を下げた。
大会は終わったが、韓国野球は続けなければならない。そして今回のWBCを最後に、ひとつのチャプターが終わった。もう“打撃機械”も“日本キラー”も、これ以上は見られなくなった。韓国野球の1ページが移る。
“日本キラー”のキム・グァンヒョンが公式に代表引退を宣言した。
自身のSNSを通じて、「今まで国家代表のキム・グァンヒョンを応援してくれて感謝している。国家代表は私にとって夢であり、自負心だった。もうこの機会を後輩たちに譲らなければならないようだ」と書き、代表引退の意思を明らかにした。
これに先立ち、“打撃機械”キム・ヒョンスもインタビューで「最後だと思っているのではなく、最後だ。自分は足りなかった。後輩たちに感謝する。もう私が代表チームのユニホームを着るのは、今回が最後だと思う」と話した。代表引退宣言に他ならない。
キム・ヒョンスとキム・グァンヒョンは、韓国代表の“最古参”だ。2人とも2008年の北京五輪から代表生活を送った。キム・ヒョンスは今回が10回目、キム・グァンヒョンは7回目の代表チーム抜擢だった。オリンピック、アジア大会、WBC、プレミア12など様々な大会に出場した。
今回のWBCにも少なからぬプレッシャーを抱えて出発した。「いつまで彼らがプレーするのか」という言葉を受けていたからだ。2人だけでなく、ヤン・ヒョンジョンも2010年から着実に韓国代表に選ばれている選手だ。実力があるから選ばれ、実際に依然として韓国プロ野球KBOリーグでトップの選手たちだが、年齢のせいで“ひねくれた視線”が存在した。
さらに今回のWBCは成績まで良くない。罪人になって帰ってきてしまった。
キム・ヒョンス、キム・グァンヒョン、ヤン・ヒョンジョンは、1988年生まれで今年35歳だ。ここに1987年生まれのヤン・ウィジが36歳、1986年生まれのパク・ビョンホが37歳だ。年齢を考えれば“ラストダンス”に近かったが、突然、背中を押されるように去ることになった。
今回のWBCで良い結果を残し、拍手を受けながら華やかに韓国代表を離れる絵が理想だった。どうせやらなければならない世代交代であれば、気持ち良く送り出されるほうがいい。しかし現実は正反対だ。
次の国際大会からは、彼らの姿を見ることはできない見通しだ。確固として代表引退の意思を明らかにした選手を再び呼ぶのも道理ではない。今回、苦汁をなめた選手たちに再びチャンスを与えることも必要だ。どうせ世代交代はどのチーム、どの国でも必要なことだ。
問題は時期が良くないという点だ。ベテランの経験を後輩に上手く託して離れることができれば良かったが、たった4試合で大会が終わってしまった。ぶるぶる震えながら終わっただけで、これといった経験があったわけでもなかった。
そもそも頻繁に集まることもできないのが代表チームだ。一度、一緒に大会に臨んだのであれば、長く一緒にいたほうがいいに決まっているが、これ以上はだめだ。今回の失敗を教訓に、若い選手たちが自ら体得するしか方法がない。
今後、韓国野球は国際大会という険しい戦場に手ぶらでぶつかりそうだ。