史上初の“自発的な”無観客試合…北朝鮮は韓国に敗れるのが怖かったのか

注目も雑音も多かった“平壌(ピョンヤン)遠征”が勝ち点1を手に入れて終わった。

パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表は10月15日、平壌の金日成競技場で開かれた北朝鮮とのカタールW杯アジア2次予選・第3戦を0-0で引き分けた。

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その結果、両チームはいずれも予選成績を2勝1分とし、勝ち点7で並んだが、得失点差で韓国がグループHの首位を守った。韓国と北朝鮮は互いに2枚ずつ警告を受けながら、90分間にわたって激しい接戦を繰り広げたが、最終的に勝敗はつかなかった。

今回の試合は1990年の統一サッカー以来、29年ぶりに南北の男子サッカー代表が平壌で対戦したため、関心が集中した。

しかしサッカーの中身ではなく、韓国取材陣の訪朝拒否やTV中継中止、無観客試合など、北朝鮮の“奇異な行動”が多くのスポットライトを浴びた。

史上初?“自発的な”無観客試合

北朝鮮は南北対決を自発的な無観客試合で行い、全世界中を驚かせた。

試合前日、両チーム関係者などが参加するマネージャーミーティングでは、北朝鮮側が予想観客数を4万人と知らせていた。しかし試合当日に入場した観客は、1人もいなかった。

(写真提供=AFC)10月15日、平壌の金日成競技場で行われた韓国対北朝鮮​​​​​の試合

南北対決を現場で見守るためチャーター機に乗って平壌を訪れた国際サッカー連盟(FIFA)ジャンニ・インファンティーノ会長が、空っぽのスタンドを見てどんな思いをしたのかが気になる。試合前、南北対決の観戦チケットが売り切れたという北朝鮮専門メディアの報道もあったため、さらに衝撃的だった。

一般的にサッカーの無観客試合は、懲戒の手段として行われる。FIFAや大陸別サッカー連盟が観客の暴動などの問題が発生した際、競技場に観客を入れない懲戒を下したりする。

それだけにホームチームが自発的に観客を入場させないことは、異例中の異例だ。

北朝鮮の立場では、ホームの利点を放棄する決定といえる。選手たちを後押しする熱烈な応援の力を自ら蹴った格好になった。

金日成競技場は最大5万人の中型スタジアムだが、満員の観客が入ると相手チームに妙な雰囲気を伝えるという特徴を持つ。そのため試合前、金日成競技場の満員の観衆が不安要素として浮上したりもした。韓国の選手たちが慣れない雰囲気によって、心理的なプレッシャーを受けるという懸念も出ていた。

敗北を恐れて“非公開試合”にしたのか

北朝鮮が無観客試合を敢行した理由を正確に把握することは難しい。

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