今度は韓国がテイラー主審の“テロ”を受けた。
テイラー主審は後半アディショナルタイムが所定の10分を少し経過した時点で、韓国が得られたはずのコーナーキックを与えず、試合終了のホイッスルを鳴らした。
韓国としては、仮にも同点ゴールを決められたかもしれないチャンスを剥奪されたわけだ。ベント監督がすぐにテイラー主審に詰め寄り、積極的に抗議したのも当然の手順だ。アシスタントコーチのコスタ氏も試合後、「公平ではなかった。同点ゴールを決めるチャンスを剥奪された」と憤慨した。
テイラー主審の決定に規定上は問題はない。すでに与えられたアディショナルタイム10分が経過していたため、いつ試合を終えてもおかしくない状況ではあった。
問題は、彼の選択が今大会の基調に真っ向から逆行するという事実だ。
今回のカタールW杯では、実際のプレーイングタイムを増やすためにアディショナルタイムを今まで以上に多く与えている。アディショナルタイム突入後に発生した遅延の状況まで考慮し、アディショナルタイム中にも追加時間を1~2分程度与える。大多数の審判がそのように試合を運営している。
この試合でも、ガーナの選手がアディショナルタイムで倒れる時間が多かったため、韓国の最後のコーナーキックが与えられてもおかしくはなかった。
しかし、テイラー主審はカタールW杯のアディショナルタイム政策をあざ笑うかのように、独断的な判定を下した。仮にコーナーキックを進めても誰も何とも言えない状況だったにもかかわらず、無理な決断を下したのだ。
それよりさらに最悪な点は、ベント監督にレッドカードを提示した点だ。
これによってベント監督はポルトガル代表とのグループステージ最終節でベンチ入りができない。ロッカールームにも入れず、スタンドのVIP席に座って試合をただ観戦しなければならない。通信機器も使用することができず、試合中に発生する変数はすべてコーチングスタッフに任せなければならない。
テイラー主審は過去にFWソン・フンミン(30、トッテナム)に物議を醸すレッドカードを提示した悪縁のある審判だ。今回の試合を控えても憂慮する声は大きかったが、その心配は現実となってしまった。韓国にとっては“災難”にも等しい出会いだった。
ちなみに、『ザ・サン』はテイラー主審について、また別のファンのコメントもこう伝えていた。
「アンソニー・テイラーがまたしても、自分の存在を試合そのものよりも大きくしてしまった」
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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