【韓国の視点】“中東優先主義”となったACL…Kリーグ関係者も嘆き「1年中サッカーをしろとでも?」

2022年08月03日 サッカー #ACL #Kリーグ

アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の開幕時期が変わる。日本のJリーグはもちろん、韓国Kリーグにも大きな波紋を及ぼす変化だ。

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アジアサッカー連盟(AFC)は8月1日、ACL開幕時期の変更を発表した。

次のシーズンから、ACLは8月に予選を開始し、翌年5月に終了する「秋春制」に切り替わる。

プレーオフ含む予選を8月に行い、グループステージは9月から12月にかけて行われる。決勝トーナメントは翌年2月に1回戦、3月に準々決勝、4月に準決勝を行い、5月に決勝戦を実施する。

今季まで大会名は「2022 ACL」だが、次の大会からは「2023-2024 ACL」に変更となる。

AFCは開催時期調整の理由として、移籍市場を大多数の欧州リーグと統一し、アジア上位クラブが優秀な選手と監督を迎え入れる適切な環境づくりができるという点を挙げている。

ただし、多くの関係者は「西アジアに有利な条件」で大会を合わせたものだと口をそろえる。

プレシーズンに決勝T1回戦を戦う?

Kリーグに多大な影響を及ぼしかねない変化だ。

Jリーグなどと同様に、Kリーグは「春秋制」でシーズンを進めている。2~3月に開幕し、11~12月に閉幕する形式だ。一般的に、12月から翌年2月まではオフやプレシーズンの期間として運用している。

ACLに出場しないチームからすれば、今回の開催時期変更は何の関係もないが、出場するチームには大きな影響がある。

Kリーグでは例年、シーズン後半の9月から優勝争いが激しくなる。特に、最終盤のファイナルラウンドで明暗が分かれる場合も多い。

国内に全力を注がなければならない時期に、ACLグループステージを並行しなければならない状況に置かれる可能性がある。万が一FAカップも戦うとなれば、選手にかかる負担はさらに倍増する。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)今季ACLグループステージの浦和レッズ対大邱FC

何より、決勝トーナメントの開催時期が問題だ。2月に1回戦を戦うのであれば、Kリーグのチームはプレシーズンの練習方式を再考する必要がある。

グループステージ最終戦は12月中旬に行われる。それから決勝トーナメント1回戦まで、約2カ月の空白がある。

同期間、選手たちは短い休息を過ごし、プレシーズンの練習に突入する。12月末から1月の間に練習が始まれば、選手たちは通常、体力トレーニングに集中する。

決勝トーナメント1回戦が行われる2月中旬には、選手の体力が完全でないだけでなく、試合感覚も大きく落ちている。

パフォーマンスを保障できない時期に、決勝トーナメントという大一番を戦わなければならない。シーズン中にトーナメントを戦えるチームと比べてはるかに不利な条件だ。

「Kリーグの秋春制は“無理”」

このため、毎シーズンのようにACLに出場するチームは大きな悩みを抱えている。

とあるチーム関係者は、「事実上、1年中サッカーをしなければならない状況ではないか。初めて経験することなので悩みが多い。何より、プレシーズン期間をどのように運営すれば良いのかわからない」と不安を吐露した。

また別の関係者も、「選択と集中が重要になった。二兎を得ようとして、どちらも逃してしまう状況になりかねない。目標設定をしっかりしなければならないようだ」と伝えた。

かといって、ACLに合わせてKリーグの開催時期も「秋春制」に変えることもできない。

2部リーグ含めてACLに出場しないチームが大半であり、仮に寒さの厳しい冬にリーグ戦を運営するとなれば、興行面で惨敗を喫するという代価を払いかねない。選手のコンディションや負傷への懸念も大きい。

Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟のチョ・ヨンサン事務総長は、「我々も(秋春制を)検討してみたが、国内の環境や要件を鑑みて、開催時期の変更は“無理だ”という結論に至った」とし、「今後、KリーグのチームにとってACLはさらに難しくなりそうだ。ひとまず、連盟のレベルでサポートできるだけに、最大限努力して最善の方法を模索する計画だ」と述べていた。

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