韓国代表DFキム・ミンジェ(25)の挑戦はこれからだ。
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イタリア・セリエAのナポリは7月27日、キム・ミンジェの獲得を発表した。契約期間は5年で、移籍金は2000万ユーロ(日本円=約27億6453万円)とされている。
キム・ミンジェは2000~2002年にペルージャに在籍したFWアン・ジョンファン(46、引退)、2017~2019年にエラス・ヴェローナに在籍したFWイ・スンウ(24、水原FC)に続き、イタリアでプレーする史上3人目の韓国人選手となった。
また、2013~2016年にドイツ・ブンデスリーガのアウクスブルクに在籍したホン・ジョンホ(32、全北現代モータース)に続き、欧州5大リーグでプレーする史上2人目の韓国人センターバックとなった。
ナポリは2022-2022シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出場する。そのため、キム・ミンジェは韓国人DFとしては史上初めてCLの舞台に臨むことになる。
キム・ミンジェは少し変わったルートで欧州5大リーグ入りを果たしたケースだ。
1996年11月生まれのキム・ミンジェは、延世(ヨンセ)大学を2年で中退し、2016年夏に実業団リーグの慶州(キョンジュ)韓国水力原子力に加入。
2017年に自由契約で全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに移籍し、プロデビュー初年度から主力として活躍。同年のヤングプレーヤー賞に輝くとともに、翌2018年含め2年連続でKリーグ1(1部)の年間ベストイレブンに選ばれた。この間、全北現代は2シーズン連続でリーグ優勝を達成した。
これらの活躍が認められ、2019年に巨額の移籍金で中国の北京国安(現・北京FC)に移籍。以降、1シーズン半を中国でプレーした後、2021年夏にトルコ・スュペルリグの名門フェネルバフチェへと移籍した。
フェネルバフチェでは同年シーズン、UEFAヨーロッパリーグ(EL)に出場したほか、スイスの『スポーツ研究国際センター(CIES)』によるスュペル・リグ年間ベストイレブンにも選出。そして今回、イタリアの名門ナポリまで上り詰めることになった。
中国進出時は金銭的な理由が浮き彫りとなり、一部ファンから批判も受けたキム・ミンジェだが、極東の地から少しずつ西へ西へと移動し、欧州5大リーグ進出という自らの夢を叶えてみせた。
キム・ミンジェは新シーズンのナポリで、守備の中心選手としての活躍が期待されている。
ナポリはキム・ミンジェ獲得のため、リーグ・アンのレンヌと激しい競争を繰り広げた。ナポリがキム・ミンジェのために支出した移籍金は、クラブ通算12番目に多い金額に当たる。
さらには、ルチアーノ・スパレッティ監督自ら積極的に獲得作業を推進しただけに、大きな異変がない限り、キム・ミンジェは主力として活躍する見通しだ。
一般的に、センターバックの全盛期は20代後半と見られている。リバプールのオランダ代表FWフィルジル・ファン・ダイク(31)がUEFA年間最優秀選手賞を受賞した2019年、彼の年齢は満28歳だった。
現在25歳のキム・ミンジェも、2~3年後には欧州トップレベルのセンターバックに成長する可能性がある。
キム・ミンジェは“モンスター”という愛称の通り、センターバックが持つべき能力をすべて兼ね備えている。
対人マーク能力にフィジカル、パワー、スピード、さらには現代サッカーでセンターバックに求められる知能的なプレー、ビルドアップまで、何一つ抜け落ちたものがないDFだ。実力を支える強靭なメンタル、自信もキム・ミンジェの武器だ。
自身の能力を存分に発揮できれば、守備の本場と呼ばれるイタリアの舞台でも認められることだろう。
なお、ナポリは今後8月1日にマジョルカ、4日にジローナ、7日にエスパニョールとプレシーズンマッチを戦った後、16日にセリエA開幕節のエラス・ヴェローナ戦を迎える。
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