韓国人初のプレミアリーグ経験者であり、韓国代表のレジェンドであるパク・チソンが、後輩のFWソン・フンミン(29、トッテナム)に驚きを示した。
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現在はKリーグ1(1部)の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースのアドバイザーを務めるパク・チソンは、現役時代、韓国サッカーファンから“ヘボジ”と呼ばれていた。
「海外(ヘウェ)サッカーの父(アボジ)」という表現の略語で、プレミアリーグへの道を開拓した彼のキャリアを称賛する意味も持つニックネームだ。
韓国人選手で誰よりも先にイングランドの舞台を経験したパク・チソンは、現在のソン・フンミンの歩みに笑みを浮かべている。
パク・チソンはマンチェスター・ユナイテッド黄金期のメンバーとして“縁の下の力持ち”の活躍を見せた。一方、ソン・フンミンはストライカーとして得点を量産し、2021-2022シーズンにはPKなしの23ゴールで得点王に輝くなど、“主人公”の役割を果たしている。
お互いにプレースタイルは違うものの、2人は韓国サッカー界に新たな歴史を築いたという面で共通点がある。パク・チソンは本紙『スポーツソウル』との書面インタビューで「今の成果がとても誇らしい」とソン・フンミンを称えた。
パク・チソンが初めてソン・フンミンと対面したのは2010年12月。当時、翌年1月のアジアカップを控えて韓国代表に初合流したソン・フンミンはまだ18歳と幼さの残る青年だった。
当時の状況だけ見れば、ソン・フンミンがプレミアリーグに進出、トッテナムに加入し、トップレベルの活躍を披露するとはパク・チソンも予想できなかった。
「正直、(ソン・)フンミンがプレミアリーグ得点王になるとは予想できなかった」というパク・チソンは、「得点王がどれだけ大変なもので、どれだけ偉大なことであるかはよく知っている。フンミンがプレミアリーグに進出して以降、継続的に発展し続けたことで今の成果を成し遂げた。本当に誇らしい」と、後輩の活躍ぶりに目を細めた。
また、ソン・フンミンの得点王獲得がアジア人に対する世界の偏見を一度に覆したとパク・チソンは言う。数少ない東洋人としてプレミアリーグで生き残ってきたパク・チソンには、ソン・フンミンの飛躍が眩しく映るようだ。
「得点王というタイトルが、全世界のファンが持つアジア人選手に対する偏見を再び静めてみせた。多くのアジア人選手にも、東洋人も世界最高の選手になれるんだという希望を与えた意味でも、本当に大切な出来事だと思う」
一方で残念なこともあった。PKなしで得点王に輝いたにもかかわらず、ソン・フンミンはイングランドプロサッカー選手協会(PFA)の選ぶ年間最優秀選手で候補から落選したのだ。最終候補で脱落したのであればまだしも、それすら入ることができず、さらには年間ベストイレブンからも除外されたことで、韓国国内はもちろんイングランド現地でも議論になった。
パク・チソンの考えも変わらない。「本当に残念なことだよ。得点王というタイトルを獲得したにもかかわらず、候補から落選してしまうというケースがどれだけあるのかと考えると、本当に失望した結果と言える」とし、「今季の活躍を見れば候補には十分はいるべきだったのではないかと思う。はたして現在の選定方式が最高の方法なのか、考えてみる必要があるのではないか?」と、PFAの選定方式に問題を提起した。
韓国のサッカーファンはたまにこのような想像をする。
「もしもパク・チソンとソン・フンミンが同じ時代に一緒にプレーしていたら…」
2人が同じ代表ユニホームを着て、同じピッチでプレーしたのは2011年アジアカップ前の親善試合、そして本大会が唯一だった。ソン・フンミンは同大会から韓国代表での歩みを始めたが、パク・チソンは同大会を最後に代表を引退した。一緒に過ごした期間はあまりに短かった。
こうした想像にパク・チソンは、「サッカーでできる興味深い想像だね」とし、「私も身体の状態が悪くなく、フンミンと一緒に入れたなら、良いパフォーマンスを見せられたと思う」と述べていた。
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