Kリーグ1(1部)のFCソウルに所属する韓国代表MFファン・インボム(25)に“残留”の道が開かれた。
国際サッカー連盟(FIFA)は6月22日(日本時間)、ロシアのウクライナ侵攻と関連した特例措置について、「ロシア・プレミアリーグの外国人選手が6月30日まで既存の契約と関係なく他チームと臨時契約を結ぶことができる規定をもう1年延長する」と発表した。
このため、ファン・インボムのほか、ロストフからヴィッセル神戸に短期契約で加入中の日本代表MF橋本拳人(28)のように、ロシアでプレーしていた外国人選手は、来る2023年6月30日までロシアクラブとの雇用契約を中断し、他チームに所属することができるようになった。
FIFAの決定によってファン・インボムの去就はさらに関心事となった。
ロシアではルビン・カザンに所属していたファン・インボムは、FIFAの特例措置を活用し、今年4月にFCソウルと3カ月間の短期契約を結んだ。
当初の予定では6月30日にも契約が終了し、ルビン・カザンに復帰しなくてはならなかった。ただ、今回の特例措置延長によって、ファン・インボムの選択肢はさらに広がることになった。
FCソウル率いるアン・イクス監督はじめ、クラブ全体としても、ファン・インボムを必ず残留させ、シーズン後半の巻き返しの動力とする意志が強い。キャプテンの元韓国代表MFキ・ソンヨン(33)など、代表チームでともにした経験のあるチームメイトも、残留のための説得に乗り出している。
ファン・インボム自身、FCソウル残留には肯定的のようだ。何より、アン・イクス監督が掲げるビルドアップサッカーに好感を抱いている。また、今年11月のカタールW杯本大会に備え、FCソウルで安定的な生活、プレーを続けながら、コンディションを調整できることも有益だ。
変数となるのは欧州クラブからのラブコールだ。ファン・インボムをめぐっては、これまでドイツ・ブンデスリーガやフランスのリーグ・アンなど、各国の一部クラブが関心を持っていると伝えられてきた。
欧州初挑戦のルビン・カザンで活躍を披露し、ビッグリーグへのステップアップを夢見てきたファン・インボムとしては、数少ない欧州進出のチャンスをつかみたい気持ちもある。欧州クラブ側としても、移籍金なしでファン・インボムを獲得できる状況なだけに、積極的なオファーを仕掛けるものとみられる。
国内残留か欧州再挑戦か。ファン・インボムに選択の時が近づいている。
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