来る5月31日に開幕するFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)の女子予選ラウンド。
米ルイジアナ州シュリーブポートで行われる第1週で、日本は6月2日の初戦でアジアの“宿敵”韓国と激突する。
韓国とは昨夏の東京五輪で対戦し、フルセットの末セットカウント2-3で敗北。この黒星が響き、日本は自国開催のオリンピックで1次リーグ敗退に終わった。一方、韓国は日本のほかドミニカ共和国、トルコといった格上を次々と破り、メダルこそ届かなかったものの、ベスト4進出という快進撃を見せた。
大会後、韓国はキャプテンのキム・ヨンギョン(34)をはじめ、ヤン・ヒョジン(32)、キム・スジ(34)のベテラン3選手が代表引退を表明し、世代交代の節目を迎えた。
そして今回、新体制で東京五輪後初の国際大会に臨むわけだが、そんな韓国は今、どんなチーム状況にあるのだろうか。
女子バレー韓国代表は5月25日、鎮川(チンチョン)選手村でVNL前の公式記者会見を開いた。
記者会見にはセサル・エルナンデス・ゴンザレス監督、キャプテンのパク・ジョンア(29)のほか、キム・ヒジン(31)、イ・ダヒョン(20)が出席した。
スペイン出身のセサル監督は東京五輪まで韓国代表のアシスタントコーチを務め、当時チームを率いたイタリア出身のステファノ・ラバリニ監督とともに、韓国代表の4位入賞に大きな役割を果たした。そして、東京五輪後に退任したラバリニ監督の後任として、新指揮官を務めることになった。
「ラバリニ監督とともにしながら多くのことを学んだ。良い結果を得るための挑戦をしたい」とVNLへの抱負を語ったセサル監督。
「短期的な目標は、新しくなったランキングシステムで多くのポイントを確保すること。長期的な目標は、2024年パリ五輪の出場権を獲得すること」と強調した。
セサル監督体制の韓国代表が掲げるキーワードは“世代交代”。今回、VNLを戦う韓国代表はパク・ヘジン(20)、チェ・ジョンミン(19)、イ・ソヌ(19)など、20代前半の選手がほとんどだ。
選手16人中、30代はキム・ヒジンら3人のみで、平均年齢は約23歳と、半数近くが30代だった東京五輪(平均約28歳)から大きく若返った。東京五輪経験者も16人中3人しかいない。
「若い選手を選んだ理由は、彼女らのレベルがどの程度なのかを確認したかったからだ」というセサル監督。「国際的なレベルではどんなパフォーマンスを見せてくれるのかが気になった。私はアタックを重要視している」と、若手抜てきの背景を明らかにした。
ただ、今回のメンバーではライトでチョン・ジユン(20)が負傷離脱したことにより、同ポジションにはキム・ヒジン一人しかいない。代替招集のコ・イェリム(27)もポジションはレフトだ。
セサル監督は「ライトに選手が多くいないのは事実だ」と認めつつ、「今は確実ではないが、どの選手がライトで上手くプレーできるかをチェックしようとしている。韓国の選手の強みは、すべてのポジションでプレーした経験があるということだ。これを活用してさまざまなテストを行いたい」と強調した。
韓国代表を東京五輪ベスト4に導いたラバリニ監督は、今度はポーランド代表の新指揮官として今大会に参戦する。韓国とは5日に対戦し、日本はフィリピン・ケソンでの第2週(6月14日)に対戦する。
「ラバリニ監督がどんなことを考え、どんなシステムを利用してバレーボールをするかはよく理解している。それを逆手に取りたい。もちろん、難しいとは思うが(自分にとっても)良い挑戦となりそうだ」と、セサル監督はVNLへの決意を表明した。
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