機動力は世界レベル、技術面は最底辺。数字で示された韓国代表の特徴と現代サッカーのトレンド

今年6~7月に開催されたロシア・ワールドカップで、韓国サッカーの機動力は世界レベルでも劣っていなかったことがわかった。しかし、パス成功率など技術的な部門では最下位圏に入った。

国際サッカー連盟(FIFA)は10月17日に発表したテクニカルレポートを通じて、ロシア・ワールドカップに出場した32カ国を各種統計で比較し分析した。

韓国は運動量で高い数値を示した。

韓国代表は1試合当たり106.6kmを走り、イングランド(107.0km)、コスタリカ(106.7km)に僅差でリードされ9位に入った。時速20キロ以上、25キロ以上の速度で走った距離でも、それぞれ10位と11位と中上位圏に入った。

韓国選手は全体的な走行距離はもちろん、カウンターや守備への加担などスピードが必要な場面でも、レベルの高い記録を示した。

しかし、ボール支配率は40%で、パナマと同率の27位。パス数では1試合当たり平均336本を記録し、スウェーデン(325本)、アイスランド(292本)、イラン(244本)ら3チームだけを上回った。

こうしたデータから、韓国がロシア・ワールドカップにおいて弱者であることを認識し、攻撃よりは守備とカウンターに重点を置いた戦術をとったことがわかる。

6月27日に行われたロシア・ワールドカップのグループリーグ第3戦の韓国対ドイツ戦

(関連記事:ロシアW杯からウルグアイ戦まで…上昇気流に乗る日本と韓国の直接対決は実現するか

パス数が少ないなか、パス成功率も79%で、ウルグアイ、コスタリカ、セネガルと並ぶ22位タイにとどまった。特に、相手選手の間を通過するパスは1試合当たり198本で30位となり、韓国が押されている試合で、敵陣を突破することに困難があったことが数値で明らかになった。

ゴールラインと最後方のDFの間の距離は、ボール所有時が35mで31位、ボールがないときが32mで27位だった。これも韓国が“守備優先”だったことを示している。

もちろん、32カ国を全体的に見ると、技術面が低調な数値だからといって、大会順位が悪かったわけではない。優勝チームのフランスが代表的で、グループリーグでスペイン、ポルトガル、モロッコを相手に奮戦したイランも同様だ。

フランスはボール支配率が48%で20位にとどまっており、パス数も1試合当たり460本で16位。パス成功率も83%で中位圏に入った。クロス数は15本で28位タイにとどまった。

ただ、セットプレーからの得点で2位、枠内シュートとゴールの比率で4位タイに入り、サイドよりは直線、ボール支配よりは効率のサッカーで優勝したことを示した。攻守選手の間隔もボール保有時28mで5位に入っており、コンパクトサッカーが新しいトレンドになったことを証明した。

イランもパス数とパス成功率がいずれも最下位だったが、選手の間隔が24mで32カ国のうち1位を記録するなど、短い攻守の間隔のなかで組織的で有機的なサッカーを展開し、強い印象を残した。

FIFAのテクニカル・スタディー・グループ(TSG)も、ボール支配率や運動量よりは、攻撃の効率性、攻守の間隔の維持などがロシア・ワールドカップで好成績を挙げるカギになったと結論付けた。

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