飲酒で墜ちた韓国人メジャーリーガー、KBOが頑なに復帰を拒否した“妙手”

メジャーリーグでも活躍するも、過去の飲酒運転で物議を醸し選手生活を一時中断していたカン・ジョンホ(34)が、今回もKBOリーグに復帰できなくなった。

韓国野球委員会(KBO)が任意解約復帰の要請は承認したが、カン・ジョンホとキウム・ヒーローズと結んだ契約を承認しなかった。

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KBOは4月29日、「各界各層の意見を聴取し、関連争点に対する法理的検討を経た。熟考の末、カン・ジョンホの復帰を許可するものの、キウムとカン・ジョンホが締結した選手契約をKBO規約第44条第4項に基づき承認しないことに決めた」と明らかにした。

カン・ジョンホは2015年1月にキウムとの選手契約を任意解約して任意解約選手として公示されたが、今年3月18日にKBOに任意解約復帰申請書を提出している。

カン・ジョンホ

KBOはカン・ジョンホが2015年当時、メジャーリーグ進出のため球団と合意して選手契約を任意解約したもので、これは制裁の意味ではなく、文化体育観光部も「選手契約が任意解約された場合」を「選手が制裁を受けた場合」と同様に扱わないよう勧告しており、復帰可否を決定する際、制裁経緯を考慮せよというKBO規約第67条を直接適用するのは難しいとみて、任意解約復帰申請を許可することにした。

ただ球団の選手契約承認申請に関しては、カン・ジョンホの復帰申請とは別であり、KBO規約第44条第4項には「総裁はリーグの発展とKBOの権益保護を阻害する恐れのある選手との選手契約を承認しないことができる」とされている。

これをもとにKBOは、カン・ジョンホが3回にわたって飲酒運転をして処罰を受けた点、3回目の飲酒運転当時、交通事故を起こしたにもかかわらず事故現場で必要な措置を取らず逃走して罪質が悪い点、スポーツ団体は「フェアプレー」精神を土台にするため倫理的・道徳的価値を何よりも重視しなければならない点、KBOリーグが社会全般に大きな影響力を及ぼしかねないだけに、その社会的使命を果たさなければならないという点など、様々な側面を総合的に考慮して厳重な決定が必要だと判断し、カン・ジョンホとキウム・ヒーローズとの選手契約を承認した場合、KBOリーグの発展を阻害するとして選手契約を認めなかった。

カン・ジョンホはキウム所属だった2009年と2011年に飲酒運転で摘発されて罰金刑を受けており、メジャーリーグ時代の2016年12月にもソウルで飲酒運転および衝突事故を起こし、さらには“運転者すり替え”の容疑もかけられた。結局、当時は懲役8カ月、執行猶予2年の実刑を言い渡された。控訴したが棄却されている。

また、2018シーズン後半にはMLBのピッツバーグ・パイレーツに復帰するも、2019年8月に放出されて以降は所属先がない状態だった。

KBOはリーグの発展はもちろん、飲酒運転に対する警戒心を鼓吹するために、現在飲酒運転の制裁強化のための規約改正議論を進めている。そうしたことも今回の決定に作用したのだろう。

ただ、キウム側はかなり困惑している。

キウムのコ・ヒョンウク団長は4月29日、『スポーツソウル』の取材に対し「発表の10分前にKBOから先に通達を受けた。直ちに対応が難しい状態だ。意外な結果が出た。対応をするというよりも、今後どうするかについて内部で議論が必要な状況だ」と説明した。

ほかのキウム関係者も「私たちも事前に聞いたことはない。KBOの発表を通じて知った。内部議論を通じて球団の立場を整理しなければならない」と語った。

キウムは3月17日、カン・ジョンホと最低年俸である3000万ウォンで契約を終えた。「戻すことはできない」と釘を刺した状態で、 3月18日にはKBOに任意解約復帰承認要請をし、本来はそちらが争点になると思われていた。 
KBOがカン・ジョンホにすでに懲戒処分を下した状態だったため、任意解約復帰承認要請を拒否する名分がなかった。キウムも承認が出ることを期待して要請したものと解釈できる。

しかしKBOが方向を変えた。任意解約復帰はキウムが望んだ通りになった。ところが、そもそも選手とキウムとの契約を承認しないという妙手を打った。キウムが全く考えられなかった部分だけに、今後の対応に注目が集まっている。

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