韓国代表FWソン・フンミン(29)を擁するトッテナムが5年ぶりに訪韓し、今年7月にKリーグ選抜と親善試合を行う。
韓国プロサッカー連盟は4月14日、「Kリーグ代表選手で構成される選抜チーム(チームKリーグ)と、イングランド・プレミアリーグのトッテナムによる親善試合が、7月13日にソウルワールドカップ競技場で行われる予定だ」と発表した。
トッテナムも同日、公式ホームページを通じて夏の韓国ツアーを公式化し、2試合を行う予定であることを発表した。チームKリーグ以外に対戦する相手は明らかにされていないが、現時点では韓国代表MFイ・ガンイン(21)が所属するマジョルカが有力視されている。
今回の試合は、Coupang PlayとPeach Internationalが主催する「Coupang Playシリーズ」の一環で行われる。
韓国プロサッカー連盟とCoupang Playは去る12日、Kリーグ発展のための包括的マーケティングパートナーシップを締結。今年から2025年までの4年間、Coupang PlayがKリーグのニューメディア中継、新規コンテンツ開発投資、現場プロモーション、商品販売などを進めることで合意した。
チームKリーグの選手構成や選抜方式などは後日確定する予定だとし、「今回の試合はKリーグとCoupang Play間の協力関係強化はもちろん、Kリーグ代表選手とトッテナムの直接対決を期待してきた国内サッカーファンのための素晴らしいイベントになるだろう」と伝えている。
韓国代表キャプテンを務めるソン・フンミンのいるトッテナムが、韓国国内で試合を行うということだけでも、今回の親善試合はファンの大きな注目を集める見通しだ。
ただ、韓国では過去に数回、海外の有名チームとKリーグ選抜による親善試合を行い、“引き立て役騒動”に巻き込まれたことがあるため、複数クラブやサッカーファンの間から批判の声も挙がっている。
韓国プロサッカー連盟は、2010年には当時アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34、パリ・サンジェルマン)らを擁したバルセロナ、2019年にはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(37、マンチェスター・ユナイテッド)らを擁したユベントスを招待し、チームKリーグとの親善試合を実施したが、外部からの袋叩きに遭った。
特に3年前のユベントスとの親善試合では、主催者側がロナウドを前面に出して試合をプロモーションし、大勢のファンが高額なチケットを購入して現地に訪れた。ところが、実際の試合でロナウドは疲労蓄積を理由にベンチ入りしたまま最後まで出場することなく、すぐに韓国を去ってしまった。
これに起こったファンは主催者を相手取り、チケット払い戻し訴訟を行ったりもした。
ただ有名選手が出場しなかったから問題になったというわけではなく、シーズン中にもかかわらず親善試合に参加してくれたKリーグの選手が、招待した海外チームの“引き立て役”のように見えたことに、多くのファンは否定的な声を出した。
今回のチームKリーグ対トッテナムの試合も、ソン・フンミンやトッテナムの選手を一目見るためにスタジアムを訪れるファンは大勢いるはずで、またしてもKリーグの選手が“引き立て役”になってしまうのではないかという懸念も出ている。
Kリーグのとあるチーム関係者は、「今年の冬にワールドカップが行われる影響で、10月にシーズンが終了する厳しいスケジュールにより、選手たちは休む暇がない。にもかかわらず、以前に大きな問題を起こした海外チームとKリーグ選抜の試合を再び開催するということには納得がいかない。はたしてKリーグの選手がトッテナムの選手よりも関心を持ってもらえるのか」と怒りを伝えた。
チームKリーグとトッテナムによる親善試合は、Kリーグ放映権を獲得したCoupang Play自ら主催する試合だ。
Coupang Playとしては、Kリーグとパートナーシップを結んで初めて迎える大型イベントの開催を通じて、予備視聴者の層を固めつつ、Kリーグのブランド価値をさらに高める意志を持っている。ここが、ただの単発イベントに過ぎなかったこれまでの海外チームとの親善試合と違う部分だ。
ただ、韓国サッカー界は“ロナウド欠場騒動”で負った大きな傷がまだ完全に癒えていない。それだけに、Coupang Playは韓国プロサッカー連盟との協業を通じて、Kリーグの選手とファンが満足できる“フェスティバル”にするべく、コンテンツ開発やイベントに注力しなければならない。
加えて、この試合を通じて国内のサッカーファンをKリーグに流入できるよう、多彩な戦略を講じる必要がある。
例えソン・フンミンが所属するトッテナムが訪韓する試合だとしても、このような要素が排除され、以前と同じような出来事が繰り返されるのであれば、主催者側は再び逆風にさらされる可能性がある。
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