韓国プロスポーツ初の試み!KリーグがOTT企業と「包括的パートナーシップ」を締結した背景

2022年04月14日 サッカー #Kリーグ

韓国プロサッカーのKリーグが、国内プロスポーツでは史上初めてOTT(オーバー・ザ・トップ/オンライン動画配信サービス)生中継に挑戦する。

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Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟は4月12日、Coupang Play(クーパンプレイ)と2025年まで包括的パートナーシップを締結したことを発表した。

同日、ソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館で行われた調印式には、Coupang Playのキム・ソンハン総括ディレクター、イ・ジョンロク・スポーツコンテンツ理事、韓国プロサッカー連盟のハン・ウンス副総裁、チョ・ヨンサン事務総長、江原(カンウォン)FCのイ・ヨンピョ代表取締役らが出席した。

今回のパートナーシップ締結により、Coupang Playは来る5月5日の子どもの日に行われるKリーグ1(1部)第10節から、OTTサービスを通じてKリーグ全試合を生中継する。また、今後はKリーグ関連のオリジナルコンテンツを製作し、順次公開する予定だ。

このほかにも、Coupangを通じてKリーグ関連グッズの購入、イベント試合の開催など、Kリーグのファンベース拡大も積極的に行われる。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)韓国プロサッカー連盟とCoupang Playの調印式

韓国プロサッカー連盟のハン・ウンス副総裁は、「韓国プロサッカー連盟は今回のパートナーシップ締結を、Kリーグ中継の品質向上やコンテンツ多様化を通じたファン満足増大の動力にする」と伝えた。

Coupang Playのキム・ソンハン総括ディレクターも、「国内のサッカーファンに多彩で面白いサッカーコンテンツの視聴経験を提供する」と述べた。

Coupang Playは2020年12月のサービスローンチ以降、韓国代表の国際Aマッチや海外有名リーグの試合を独占生中継しており、韓国国内を代表する中継デジタルプラットフォームとして位置づけられている。

「無料視聴は当然」の認識の韓国プロスポーツ

韓国プロサッカー連盟は最近、国内プロスポーツ中継市場で新たな領域を開拓している。

2020年には独自のメディアセンターを設立し、国内企業ではなく欧州の放映権企業に放映権を販売したこともあった。

昨年にはKTと共同持分の投資でスポーツ専門チャンネルを自ら設立・運営し、YouTubeクリエイターに低価格で映像使用権を販売することで、第2次コンテンツ生産の活性化も図った。

そして今年、新たな挑戦として、OTTプラットフォームのCoupang Playと4年間の放映権契約を結ぶことになった。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)蔚山現代の天野純など、今季Kリーグでは10人の日本人選手がプレー​​​

韓国ではこれまで、スポーツ中継はポータルサイトで無料視聴することが一般的だった。ただ、この構造ではプロスポーツ放映権の価値が上昇することは不可能だということも、業界共通の見解として持たれていた。

OTTプラットフォームがニューメディアコンテンツ市場の強者として浮上し、市場内で存在感を発揮して久しいが、スポーツ放映権市場への参入はごくわずかだった。

最近ではいくつかの韓国国内OTT企業が、これを念頭に置いて投資を敢行しているが、Coupang Playは韓国代表の試合中継などを通じてサッカーファンからある程度の認知度を得られている。これも、韓国プロサッカー連盟が積極的な姿勢を見せた理由だ。

「一般層への露出頻度減少」の懸念は…

Coupang Playは今年、既存のオンライン放映権社と同じく、非独占で中継を行う。そして、2023~2025年は独占放映権が付与されることになる。

スポーツ中継プラットフォームの流れが変化する時期を読み取り、どの競技よりも先に飛び込んだKリーグが、先取りによる効果を享受できるかは関心事だ。

Coupang Playが韓国プロサッカー連盟に支払う放映権料は、両者の合意に基づき公開されないことになっている。ただ、これまで連盟が受け取ってきたニューメディア放映権料よりは大幅に上昇したと伝えられている。

韓国プロサッカー連盟は放映権の価値の上昇を通じて、中継放送の品質向上に向けて再投資を行う計画だ。

また、Kリーグ中継放送が「プレミアムコンテンツ化」するうえで、好循環が生まれる構造を構築する出発点にするという意志も持っている。

ただ、Kリーグのこのような試みをめぐって、「一般層への露出頻度が減少するのではないか」という懸念の声もある。

これに対し、韓国プロサッカー連盟の関係者は、「Coupang Playが独占中継するといっても、オンラインでの生中継に限られ、テレビ中継は無料で視聴することができる。また、ユーチューブなど別のプラットフォームでは、試合のハイライト、2次加工コンテンツが無料で供給されるので、大きな問題はない」と答えた。

Kリーグが改革の一環として決断したOTT生中継の挑戦が、国内プロスポーツ放映権市場の革新に踏み台となるのか、今後の動向が気になるところだ。

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