横浜F・マリノスとACL同組の全北現代で突然のGM辞任…「一身上の都合」が不自然なワケ

2022年04月07日 サッカー #Kリーグ

韓国Kリーグ1(1部)の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが騒然としている。ただでさえチームの成績が良くないにもかかわらず、フロント内部に大きな変化が生じて慌ただしくなっている。

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4月4日、全北現代のペク・スングォンGM(団長)が辞任するニュースが伝わると、韓国サッカー界の間ではさまざまな意見が飛び交った。クラブは辞任の理由を「一身上の都合」と発表していたが、これを鵜呑みにする人は多くない。

一部では、シーズン序盤の成績不振に対する責任を負ったと言われている。ただ、その場合であれば監督や総責任者の代表取締役が退くのが自然であり、GMが辞表を提出することは不自然だ。

ある程度の責任を負ったというのは正しい。全北現代は今冬の移籍市場で、補強候補だったDFカン・サンウ(28)、DFイム・チェミン(31)の獲得に失敗した。この過程で責任者のペクGMがスムーズに仕事を進められず、獲得作業に難航すると、両選手は遅々として進まない交渉を後にして中国へと移籍した。

全北現代は必ず補強すべき選手は100%獲得するチームで知られていたが、今回はそうではなかった。結局、開幕して成績が極度に低迷したことから、ペクGMが責任を負う形になった。

フロント刷新の余波

ただ、これがすべてではない。ペクGMが全北現代の内部における“パワーゲーム”で敗れたという分析もある。

(写真=全北現代)ペク・スングォン団長

全北現代は2019年11月からホ・ビョンギル代表取締役、ペク・スングォンGMの体制に変化した。以前まで全北現代の代表取締役は常勤職ではなかったが、ホ代表取締役が来て以降、事務室には代表取締役とGMという2人のリーダーが同居することになった。

この2年間は円満な関係が続いた。全北現代も昨季にリーグ5連覇を達成し、“1強”の立場を守り抜いた。

気流が急変したのは最近のことだ。ホ代表取締役はフロント刷新に強力なドライブをかけた。在職して久しい高年代の職員に代わり、代理や課長クラスの若いチーム長を引き上げる果敢な人事を通じて、フロント内の空気を一新する意志を明らかにした。

ペクGMはこの改革対象から外された。つまり、辞任の決断もこの過程で出たものとみられる。

ペクGMがいなくなってからというもの、フロント内部の雰囲気は落ち着かない。それもそのはず、異例の人事が断行されたなかで実質的にチームを率いていたGMがいなくなったからだ。

ペクGMはサッカーチームのリーダーだった。広報課長、事務局長を経てGMに登り詰めた苦労人で、サッカー経営については確固たる実績と経験のある専門家だ。仕事の処理スタイルに長所と短所があるとはいえチーム運営における“ABC”に長けているのは確かだ。

全北現代がチェ・ガンヒ元監督、イ・チョルグン元GMの2人が去った後も円満に絶対強者の座を維持できているのも、ペクGMの功績があったからに他ならない。

職員も信頼してペクGMに従っていただけに、彼の空席は大きく感じられることだろう。コーチ陣や選手も動揺せざるを得ない雰囲気だ。キム・サンシク監督も「心が重い」と残念な気持ちを吐露している。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)全北現代

兼任GMにつきまとう不安

全北現代は、ペクGMの空白を当分はホ代表取締役が兼任で埋めると明らかにした。つまり、ホ代表取締役個人の強力なリーダーシップが構築されたということだ。

ただ、約2年6カ月の間サッカーチームの業務に携わってきたとはいえ、ホ代表取締役がGM職を無事に遂行できるかは疑問だ。全北現代はKリーグで最も規模の大きいビッグクラブであり、最も多くの金を使い、地域と中央を行き来する企業、記者が多いチームだ。

GMは実務のすべてに責任を負い、細かい事項まで面倒を見る必要があるが、経験の足りないホ代表取締役にとっては過度な業務が集中する事態になりかねない。チーム内外で全北現代の歩みに注目が集まる理由はそこにある。

なお、全北現代は来る4月15日から5月1日まで行われるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)グループステージで、横浜F・マリノス(日本)、シドニーFC(オーストラリア)、ホアンアイン・ザライFC(ベトナム)と同じグループHを戦う。

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