山根前会長は、「この事件は在日コリアン出身である私を会長職から引きずり下ろそうとする計画された陰謀だった」とし、「現執行部を掌握した勢力が、かなり前から日本のボクシング界で主要事件が発生するたび、私を窮地に追い込んだ。今年初め、ある大学で暴行事件が起きたが、中央連盟が関与したように見せかけた」と話した。
そして「(現執行部の役員は)私に“事件を解決する人は自分たちしかない”と人事にも介入しようとした」と強調した。
彼らが中心になって在日コリアン出身の会長を引きずり下ろそうとする「日本ボクシングを再興する会」が結成されたという。
一部で言及された論争については、「全国大会で特定地域(奈良県)の選手が有利な判定を受けたとして、そこに私が介入したと主張した。私が奈良県出身の会長だからだ」とし、「多くの番組で流された映像を見ると、奈良県選手がリングで不利な状況の場面だけを集めて、まるで判定で利益を得たかのように世論を歪曲した」と語った。
助成金の不正使用については、「その金でA選手を支援することになっていた。ただ、私は未来を考え、その選手と有望株2人と分けて使うことを勧めた」とし、「Aもそれに賛成した。しかし、その後にAが“日本ボクシングを再興する会”と関係を結び、不正使用を告発した」と述べた。
助成金の使用範囲を自分が変えたのは認めるが、あくまでも当該選手と協議を行ったうえでのことということだ。
だが、「日本ボクシングを再興する会」がこれを餌にして「個人的な用途で使用」と話を膨らませたと主張した。しかも山根前会長は、私費でAに渡らなければならない助成金をすべて支払ったという。
山根前会長がすべてを手放すことになった決定的なきっかけは、50~60年前に“ヤクザ”とよばれる日本の暴力団との関係を持っていたことが浮上したことだ。
10歳のときに日本へ渡った当時、艱難辛苦を経験した山根前会長は、「(20代のとき、ヤクザ側の人たちと)付き合いがあったのは事実」とし、「ただ、今は彼らと離れて生きている」と話した。
また、「スポーツ庁は、私が過去に暴力団と交流していたというだけでも、辞任の理由になるとした」と語った。
「日本ボクシングを再興する会」とスポーツ庁がこのような処置をしたなか、日本の若者たちが山根前会長に心を開いたのは、特定の犯罪行為なしに“闇の世界”から抜け出し、ボクシング界に長い間、身を捧げてきたからだ。
山根前会長は、「日本に在日コリアン出身者を差別する文化があることは事実」とし、「若い頃の一時の間違った選択が問題だとしたら、私の責任だ。罰を受ける」と目頭を熱くした。