東京五輪“ガム噛み非難”もあったカン・ベクホ、韓国シリーズで打率5割の活躍!球団初優勝に貢献

急激な成長曲線を描き、デビュー4年目で球団を頂点に導いた。独りよがりになるのではなく、チームプレーにも徹して勝利をけん引し、韓国シリーズで最高の打率を記録した。KTウィズの“若き主砲”カン・ベクホ(22)のことだ。

カン・ベクホは11月18日、高尺(コチョク)スカイドームで行われた斗山(トゥサン)ベアーズとの韓国シリーズ第4戦に「3番・一塁手」で先発出場し、4打数1安打1四球で2度出塁。韓国シリーズ4試合で打率5割(12打数6安打)と、大舞台でさらに輝きを放った。

試合もKTが斗山を8-4で下してシリーズ戦績4勝0敗とし、球団創設史上初となる統合優勝を達成した。

昨シーズンは韓国プロ野球で9番目に創設されたNCダイノスが参入8年目で優勝したが、今季は10番目に創設されたKTが、NCより1年早い参入7年目で優勝を果たした。

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優勝したKTウィズ

万年最下位の球団をルーキーが救う

4年前まで想像すらできなかったことだ。というのも、KTは参入初年度の2015年から2017年まで3年連続最下位に沈んでいたからだ。

ところが、カン・ベクホが高卒ルーキーで入団した2018年から球団に変化が起きた。カン・ベクホがデビューイヤーの同年に29本塁打を放ってKT史上初の新人王に輝くと、KTもまた、球団初となる勝率4割以上(0.418)を記録して9位となり、最下位から脱出した。

それ以降、カン・ベクホはKTとともに成長した。カン・ベクホはプロの舞台で経験を積み重ね、正確さと選球眼、パワーを兼ね備えた申し分のない打者としての面貌を見せている。OPS(出塁率+長打率)も初年度の0.879から0.913(2019年)、0.957(2020年)、そして今季が0.971と着実に上昇し続けた。

キム・ヒョンス(33、LGツインズ)やチェ・ヒョンウ(37、KIAタイガース)など左打者の先輩は守備シフトに苦しめられたが、カン・ベクホは動揺しなかった。ストライクゾーン全体を攻略し、全方位に打球を放った。

KTもカン・ベクホのプロ2年目にあたる2019年から強豪に仲間入りした。同年はシーズン終盤までポストシーズン進出争いを繰り広げ、最終的に6位に終わるも勝率5割を記録。2020年は勝率0.566で正規シーズン2位に入り、初めてポストシーズンに進出。そして今季は正規シーズンで見事初優勝を果たした。カン・ベクホはサムスン・ライオンズとの1位決定戦で決勝打を放ち、球団に歓喜をもたらした。

カン・ベクホ

東京五輪で非難もあったカン・ベクホ

何より、カン・ベクホの真骨頂は韓国シリーズで明らかになった。

カン・ベクホは第1戦から第2戦まで5打数5安打3四球と100%出塁を果たし、韓国シリーズ史上最多となる連続出塁タイ記録を打ち立てた。初の韓国シリーズながら、毎年韓国シリーズを経験しているようなベテランの風格を漂わせ、斗山の投手陣を攻略した。カン・ベクホの猛打で機先を制したKTは最後まで斗山を攻め込んだ。

状況に応じた打撃も印象的だった。カン・ベクホは第3戦で3打数無安打に終わると、第4戦では冷静に走者を進塁させた。1回表の無死二塁の場面では、二塁走者のファン・ジェギュン(34)を三塁に進塁させる二塁ゴロを放った。8回表の最終打席では右前安打を放つと、その後ジャレッド・ホイング(32)の本塁打でホームベースを踏み、追加得点を挙げた。

また、カン・ベクホは守備でも集中力を発揮し、自身に対する疑問も打ち消した。一塁側ファウルラインに飛ぶ強い打球を着実に捕球し、一塁側ダッグアウトに落ちるファウルボールもジャンピングキャッチした。

ファン・ジェギュン、パク・ギョンス(37)、シム・ウジュン(26)、ペ・ジョンデ(26)や野手陣の好守備リレーにカン・ベクホも加わり、KTは斗山の攻撃を素早く消火していった。カン・ベクホは特に、第4戦9回裏に斗山の最終打者パク・セヒョク(31)の一塁ゴロを落ち着いて捕球し、優勝を決定付ける最後のアウトカウントを挙げた。

韓国シリーズ優勝決定直後、歓喜するカン・ベクホ

球団とともに申し分のないシーズンを送ったカン・ベクホだが、常に順調だったわけではなかった。

夏の東京五輪では韓国プロ野球と異なるストライクゾーンに戸惑い苦戦した。3位決定戦ではまさかの逆転負けに呆然とした様子が映されたが、意図せずガムを噛む姿がカメラに捉えられてしまった。当時はふがいない野球韓国代表の成績をともに、カン・ベクホも非難の的になってしまった。

それでも、カン・ベクホが崩れることはなかった。9月こそ打率0.250と伸び悩んでいたが、10月には打率0.316と正常な軌道に戻ると、以降は重要な試合で真価を発揮し、22歳にして優勝の栄光を味わった。

KTはもちろんのこと、これからの国際大会で韓国代表の打線を担うであろうカン・ベクホにはこれからも注目したいところだ。

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