韓国Kリーグで試合後にサポーターが突如昏倒…選手&フロント一体の応急処置で意識取り戻す

2021年11月01日 サッカー #Kリーグ

10月31日に蔚山文殊サッカー競技場で行われた韓国Kリーグ1(1部)の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)対水原(スウォン)FC。

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ホームの蔚山現代は水原FCに3-2で勝利。試合後、選手とコーチ陣は勝利記念写真を撮るべく、サポーター集団チョヨンチョンサのいるS席に向かって歩いて行った。

ところが、S席の雰囲気が普通ではなかった。どうやら一人のサポーターが突然倒れてしまい、驚いた周囲のサポーターが駆け付けていたのだ。

ピッチから事態に気づいたのはDFキム・テファン(32)だった。ただ、周囲があまりに騒然としていたため、場内アナウンサーのマイクを手にして「人が倒れた」とスタジアム内に知らせた。キャプテンのMFイ・チョンヨン(33)をはじめとする複数の選手も、運営席に駆け付けてフロントに緊急事態を知らせた。

その後、蔚山現代のホームゲーム担当者や広報チーム長らが素早く場内医療陣とコミュニケーションを取り、救急車に乗ってS席に直行。救急救命士が倒れたサポーターに応急処置を施し、すぐに近くの病院へと搬送した。病院には蔚山現代の職員も同行した。

スタジアムから病院までは10分ほどで到着。その10分後、サポーターは完全に意識を回復したという。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)

倒れたサポーターは2005年生まれの高校1年生A君だった。チョヨンチョンサの一人として活動するA君は普段からよく知人とスタジアムに訪れていたが、この日は一人で来場していた。

蔚山現代の職員はA君の両親に連絡し、スタジアムで起きた状況について説明。両親はしばらくして病院に到着し、A君が意識を取り戻したことを確認した後、面倒を見たという。蔚山現代によると、A君は基礎疾患を患っていて、倒れたときは初期対応が非常に重要な局面だった。

迅速な対応で一命取り留める

こうした状況で、蔚山現代の選手もフロントも応急処置のマニュアルに沿って安定的な措置を執った。

Kリーグでは普段から突然の事故に備え、医師と看護師1級の救急救命士で構成された専門の医療陣が、キックオフ90分前から試合終了後、すべての観客や関係者が退場するまで待機することになっている。

この日の試合では、蔚山大学病院所属の救急救命士、東川東岡(トンチョントンガン)病院所属の看護師、中央(チュンアン)病院所属の救急救命士と看護師が、A君の応急処置に貢献した。

その前には選手やフロントが役割を分けて応急状況を伝えたが、近年Kリーグ構成員を対象に行っている心肺蘇生法(CPR)など、安全教育を通じて習得した過程を自然に履行した。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)

蔚山現代は3年前の2018年にも、ホームでの試合中に突如倒れた生後21カ月の乳児を、フロントと協力会社の職員が役割を分けてCPRを行い、救助隊に連絡して病院に搬送し、意識を取り戻させたことがある。

応急処置は誰もが冷徹な判断で迅速に対応することは容易ではない。それでも、蔚山現代は今回、選手も交わって大事故を防いた。クラブ一体となった救助活動はリーグ内の安全活動の鑑となった。

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