韓国の人間性回復運動推進協議会(以下、人推協)が、女子バレーボール選手のイ・ジェヨン(24)とイ・ダヨン(24)の双子姉妹に、学生時代のいじめに対する謝罪を求めた。
人推協は9月19日、ソウルの真実和解共生センターで、学生時代のいじめで物議を醸したイ・ジェヨンとイ・ダヨンに対し謝罪と和解を促す声明書を発表した。
「ギリシャに発つ前に被害者と和解することを丁重に勧告する」と立場を明らかにした人推協は、声明書を通じて「直接会うことが難しいのであれば、2人に失望して傷ついた被害者とファンのためにも、少なくとも心からの謝罪と和解の気持ちを表現して去ってほしい」と伝えた。
今年2月に学生時代のいじめが発覚したことにより、前所属の興国生命ピンクスパイダーズから無期限出場停止処分を下され、韓国バレーボール協会から代表資格をはく奪されたイ・ジェヨンとイ・ダヨンは、6月30日の選手登録締切日をもって興国生命を放出。
フリーエージェント(FA)となった2人は国内で移籍先が見つからず、現在はギリシャのチームへの移籍を進めているとされている。ただ、韓国バレーボール協会が海外移籍時に必要な国際移籍同意書(ITC)の発給を拒否しているため、移籍は現在まで実現していない。
以下、人推協の声明全文。
◇
イ・ジェヨン選手とイ・ダヨン選手は、この7カ月間で韓国社会を失望と怒りの渦に巻き込んだ“学暴議論”の当事者です。
ギリシャに発つ前に被害者と和解されることを丁重に勧告します。
直接会うことが難しいのであれば、2人に失望して傷ついた被害者とファンのためにも、少なくとも心からの謝罪と和解の気持ちを表現して去ってほしいです。
これこそ、我々の社会の人間性回復と人格涵養の次元でも切実に求められます。
今年初め、2人の学生時代のいじめ問題が浮き彫りになったことで、バレーボール界は大騒ぎとなりました。
当時、両選手は被害者の要求によって謝罪文を掲示し、直接会って許しを求めて和解することを望みましたが、被害者が会うことを拒否し、さらなる暴露に乗り出すなど、無念を訴えるすべがなく、やむを得ず被害者に対して法的対応に乗り出したことを明らかにしました。
人推協の真実和解共生センターが把握したところによると、2人は学生時代のいじめの内容は被害者の主張と異なり、これと関連して事実と異なる内容がSNSで広まり、名誉棄損などの精神的被害が大きく、やむを得ず法的対応に乗り出すことになったと知られています。
被害者たちが提起した約20種類のいじめの事例のうち、3種類程度以外は事実ではないと抗弁していると聞いています。
しかし、例え3つだけだったにせよ、学生時代にいじめを犯したことに変わりはないと思います。
一度でも十度でも、学生時代にいじめに遭った被害者にとっては永遠に消すことのできないトラウマとして残ることになります。
2人が自分たちの悔しさを主張する前に、過去の被害者の気持ちになって考え直さなければなりません。
2人が被害者を相手取って警察に告訴した内容は、近いうちにどのような形であれ結論は出ると思います。しかし、いくら2人にとって有利な決定が下されたとしても、批判的な世論が静まることはないはずです。
2人は法的対応の処理とは関係なく、近いうちに外国へ移籍する可能性が高いと報道されています。
真実和解共生センターはこれまで、双方が和解の道に進み、謝罪し、容赦され、より良い未来に進んでほしいと願い、直接・間接的にコミュニケーションを取り、ギャップを狭めようと努力してきました。
そんななかで、2人が移籍するというニュースを知ることになりました。
2人が学生時代のいじめ問題で沸き起こった世論を遠ざけ、外国に移籍することは、現実的にいじめ問題によって国内で選手生活を続けることが苦しく、次善として選択したものと言えます。
ですので、これから韓国を離れるという状況で、被害者に提起した法的措置を終え、和解の手を差し伸べる姿を見せてください。
それが堂々と外国に発つ道であり、残されたいじめ被害者に対する最小限の配慮だと思います。
被害者に謝罪して許しを得ることができれば、2人は学生時代のいじめ問題を清算し、国内外で先行きの明るい選手生活を送ることができると思います。
被害者も加害者が謝罪するように許し、誤解を招くようなことがこれまでの過程であったのであれば、解決して受け入れてくださることと願います。
ともに生きる社会です。
お互いが過去のことにとらわれ、トラウマと悩みで未来を混乱させることはできません。
加害者がまず謝罪と許しを求め、和解の手を差し伸べるべきです。
過去の感情のわだかまりを、謝罪と許しを通じて一歩ずつ和解の道に進まなければなりません。
それが真の共生の道です。
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