全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとしては事実上、最後のチャンスだ。今回も負けるようなことがあればリーグ5連覇の夢は潰えるといっても過言ではない。逆に、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)は勝てば大きなリードを得ることになる。
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本日(9月10日)、蔚山文殊サッカー競技場ではKリーグ1(1部)第29節の蔚山現代対全北現代が行われる。午後7時半キックオフを予定している両チームの対戦は“現代家ダービー”とも呼ばれ、リーグの優勝を占うビッグマッチだ。
現時点の順位では、蔚山現代が勝ち点54で首位、全北現代が4ポイント差の勝ち点50で2位。両チームはともにここまで27試合を終え、残り11試合としている。
全北現代が勝利すれば1ポイント差に縮まり、逆に蔚山現代が勝利すればその差は7ポイントまで開く。当然、引き分けで現在の勝ち点4差が維持される可能性もある。
確実に言えることは、全北現代としては必ず勝たなければ今後のリーグ戦で逆転を狙えないことだ。仮にも敗れてしまえば、全北現代は残り10試合で7ポイント差を覆さなければならない過酷な状況に置かれる。
一方、直近7試合で無敗(5勝2分)の蔚山現代は、今のペースであれば全北現代に逆転を許す可能性は低い。
今後上位6チーム、下位6チームに分かれてのファイナルラウンドで再び顔を合わせることになるが、現時点で勝ち点差が縮まらなければ、この試合の結果次第で両チームの運命が大きく変わることになる。Kリーグ史上初の5年連続優勝を狙う全北現代の挑戦が水の泡となる可能性も高い。
とはいえ、ディフェンディングチャンピオンとしてのプライドもある。今シーズン、全北現代は蔚山現代を相手に1分1敗と負け越し。2度の直接対決でいずれも勝利することができなかった。今回も勝利できなければ“蔚山現代恐怖症”と呼ばれるだろう。
その全北現代は直近5試合で2勝2分1敗と振るわない。去る5日のFCソウル戦を通じて巻き返しに成功したことがせめてもの救いだ。
当時、全北現代は両チーム合計7ゴールが生まれる乱打戦の末、4-3で勝利した。不安定な守備から敗北の危機に追い込まれたが、最後の最後まで集中力を発揮して逆転勝利に成功した。後半ロスタイムに勝ち越し弾が決まる劇的な勝利で、全北現代が本来持ち合わせていた“勝者のメンタリティ”を取り戻すきっかけとなった。
試合の勝敗を握るカギは“体力”だ。全北現代は去る8月21日から今月5日まで中2~3日の5連戦を消化した。延期分の試合が多く組み込まれたことで、平日の試合が続いていた。
反面、蔚山現代は8月29日の第28節仁川(インチョン)ユナイテッド戦を最後に、国際Aマッチ期間の休息期を過ごした。韓国代表にMFイ・ドンギョン(23)、DFホン・チョル(30)、GKチョ・ヒョヌ(29)の3人を派遣したものの、比較的余裕をもって全北現代戦の準備を進めることができた。
かといって、全北現代は簡単に退くわけにもいかない。チームは試合2日前の8日に蔚山に移動した。移動によるコンディションの低下を防ぐため、早々に荷造りをしたのだ。すなわち、蔚山現代戦に全力を尽くし、出場可能な選手を全員送りだす計画である。
全北現代としては引き分けでは意味がないだけに、勝利が絶対条件の下プレーするものと見られる。余裕が見られる蔚山現代とは違って、全北現代は序盤から攻撃的に試合をコントロールし、蔚山現代の守備を攻略しようという構想がある。
なお、ともにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場中の両チームは、この試合を最後に決勝トーナメント1回戦に臨む。お互いホームで迎える無観客開催の1回戦で、蔚山現代は14日に川崎フロンターレ、全北現代は15日にBGパトゥム・ユナイテッドと対戦する。
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