柔道決勝で敗れた韓国選手が語るウルフ・アロン「彼は今までで一番強かった」【東京五輪】

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道着の間から覗くチョ・グハム(29)の首や胸の周りには大小の傷が見えた。

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目頭を赤くしたまま共同取材区域で取材に応じたチョ・グハムは、「こんなにたくさんの(取材陣が)来てくださったのに、(金メダルを取れなくて)申し訳ない」と、取材陣に申し訳なさを伝えた。

チョ・グハムは日本柔道の“心臓”とも呼べる日本武道館で「金色の投げ技」に挑戦したが、惜しくも叶わなかった。

7月29日に日本武道館で行われた東京五輪の柔道男子100キロ級決勝で、チョ・グハムは日本のウルフ・アロン(25)にゴールデンスコア(延長戦)までもつれる接戦の末、大内刈りで一本負けを喫した。

2人はそれぞれ得意とする背負い投げと内股の攻撃を続け、チャンスを伺っていた。試合時間4分の2倍以上になる9分35秒の間、彼らは正々堂々勝負を仕掛ける名試合を繰り広げた。お互いに死力を尽くした状況で、最後はウルフに勝利の女神がほほ笑んだ。

(写真提供=ロイター/アフロ)ウルフ・アロン(左)の手を掲げるチョ・グハム

失意のリオ五輪から再起したチョ・グハム

前回の2016年リオ五輪で16年ぶりに“ノーゴールド(銀メダル2枚、銅メダル1枚)”を経験した韓国柔道は、今大会でも前日まで銅メダル2枚(アン・バウル、アン・チャンリム)にとどまっていた。チョ・グハムの試合前には、女子78キロ級のユン・ヒョンジ(27)が3位決定戦で敗れ、銅メダルを逃していた。

チョ・グハムは厳しいトーナメントを勝ち抜いた。準々決勝ではカール・リヒャルト・フレイ(30、ドイツ)に延長戦の末浮き落としで勝利し、準決勝ではジョルジェ・フォンセカ(28、ポルトガル)に背負い投げで勝利。今大会、韓国勢で初めて柔道決勝の舞台に立った。最後の試合でもすべての力をつぎ込んだが、金メダルには届かなかった。

それでも、5年前の痛みを克服してオリンピックの表彰台に上がることができた。チョ・グハムはオリンピック初出場のリオ五輪で、大会3カ月前に左ひざの前十字靭帯を断裂する重傷を負った。急ピッチでリハビリして大会には間に合ったが、本調子とは程遠く16強で脱落した。

失意のリオ五輪からスランプに陥ってもおかしくなかったが、チョ・グハムは失望せず再起に乗り出した。2018年にバクーで行われた世界選手権で優勝すると、世界ランキングでも1位に浮上。178センチと決して高い身長ではないが、素早さを土台に得意技の背負い投げの完成度を高めた。

そして、誰よりも待ち望んだ東京五輪では金メダルとはならなかったものの、自身の価値を証明することに成功した。

「自分の実力が足りず、相手が強かった」

チョ・グハムはマナーも輝いた。準決勝では相手のフォンセカが手のけいれんを訴えた際、彼が回復するまで待つフェアプレーを見せた。決勝で敗れた直後も、ウルフの手を掲げて彼の勝利を称えた。

ただその後、チョ・グハムはこれまで過ごした忍苦の時間を思い出したように、コーチのソン・デナム氏に抱かれながら涙を流した。

「国家代表を10年間務めてきたが、(ウルフは)今まで戦った相手の中で一番強かった。相手が私のことをよく研究したようだ。自分が足りなかったことを認め、(ウルフの)手を掲げた」と話すチョ・グハム。

「実際、試合前に対戦表が出たとき、反対側にいたウルフ選手が上がってくることを望んでいた。東京で日本の選手と対戦して勝利することができれば、ただの勝利以上の意味があって自信を得られると思った。だが、自分の実力が足りず、相手が強かった」

金メダルを逃した悔しさを表しつつも、ウルフの強さを認めたチョ・グハムは、「今回の銀メダルはパリ五輪を準備することを決定付けた」と、3年後の2024年パリ五輪で金メダルに再挑戦することを誓った。

最後に、「韓国に帰ったら何をしたいか」という質問に対しては、「オリンピックの準備をしなければならない」と笑顔で語った。

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