韓国の柔道指導者が選手に対するパワハラ行為で物議を醸している。
韓国政府・文化体育観光部傘下のスポーツ倫理センターは8月14日、選手に対して常習的に代行運転を指示し、負傷中の選手に試合出場を強要した某郡庁所属の柔道指導者A氏について、懲戒を要求したことを明らかにした。
通報者によると、A氏は大会期間中の夕食後、酒に酔った柔道関係者を宿舎まで送るよう選手に代行運転を指示したほか、就寝中の選手を起こして酒席への参加を求めたという。
また、膝を負傷していた選手に対し、チームの成績を理由に無理にでも大会に出場することを強要し、その結果、負傷がさらに悪化してしまったという。
これに対しA氏は、選手は労働契約書上、選手活動以外の付随業務も行うことになっており、柔道関係者を宿舎へ送る接待的な活動もその一環であるため、不当な指示には当たらないと主張した。
酒席への参加強要についても、選手が先に年俸や契約金について相談したいと話してきたため一緒にお酒を飲んだのであり、就寝中の選手を起こして酒を飲むよう求めた事実はないと反論した。
負傷選手への出場強要についても、選手本人の出場意志が強かったためだと釈明している。
ただ、倫理センターの審議委員会は、A氏が自身の指示を簡単に拒否できない監督と選手という上下関係を利用し、試合を控えた選手の意思に反して、自身や柔道関係者のために代行運転をするよう要求した行為があると判断した。
また、チームの成績を理由に負傷中の選手に無理な出場を指示し、膝を痛めて選手生命に悪影響を及ぼしたと判断した。酒席への参加も含め、すべて人権侵害行為に該当すると結論づけた。
倫理センターは「不祥事の内容は重大であり、経緯から見ても偶発的とは言えず、継続的かつ反復的な様相がある。これは大韓体育会スポーツ公正委員会規定第25条第1項第8号(人権侵害)および第31条第2項に関連した違反行為別懲戒基準第10項(人権侵害行為が常習的に発生した場合)に該当する懲戒が必要だと判断し、これに対し国民体育振興法第18条第9項に基づき、A氏への懲戒を求めることを決定した」と伝えている。
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