北朝鮮の棄権で順位計算が複雑になった。どのように処理しても問題が生じる可能性があり、アジアサッカー連盟(AFC)も容易に決定を下せない模様だ。
サッカー北朝鮮代表の2022年カタールW杯アジア2次予選棄権が正式に決まったことで、6月に韓国国内で実施予定のグループHのスケジュールにも影響が及ぶことになった。
最大の争点は順位計算方法だ。北朝鮮は2次予選で5試合を消化しているが、これらの試合結果をどのように処理するかが関心事となっている。
一般的な案として挙げられるのは“没収試合”だ。グループHに属する韓国、トルクメニスタン、レバノン、スリランカのいずれも北朝鮮とのホーム&アウェーの試合を3-0の勝利扱いとし、勝ち点6を付与するものである。
このケースにおいて最も得するのはレバノンだ。レバノンは同組で唯一北朝鮮との2試合を終えているが、1分1敗で勝ち点1の獲得にとどまっていた。それが2試合とも勝利扱いとなれば、一挙に勝ち点5が追加されることになる。
さらには、現在まで5戦全敗を記録しているスリランカも勝ち点を得られる。2019年10月に北朝鮮ホームで“南北戦”を行い、スコアレスドローで勝ち点1に終わっていた韓国にとっても悪いことではない。
ただ、2019年11月のホームゲームで北朝鮮に勝利しているトルクメニスタンだけは、あまり得がないものと見られる。
別の案では、そもそも北朝鮮との試合をなかった扱いにする方法もある。グループ内における北朝鮮の戦績をすべて削除し、残り4カ国の直接対決の結果だけに順位を計算する方式だ。
この方式を適用した場合、トルクメニスタンが2勝2敗で勝ち点6、韓国がとレバノンがともに2勝1分で勝ち点7、スリランカが4敗の勝ち点0となった状態で残り試合を行うことになる。
結局のところ、どのように順位を計算しても問題は発生する。
最終予選に進出できるのは、2次予選の各グループ1位と各グループ2位のうち成績上位の4カ国のみ。当然、グループHの2位も他グループの2位と成績で争うことになるが、仮に没収試合扱いで勝ち点6が付与されることになれば、“過度なアドバンテージ”を受けるという盲点がある。
2試合合計6-0で勝利したと記録されるため、勝ち点のみならず得失点差や多得点でも非常に有利な立場に置かれる。これでは他のグループの2位国から不満の声も上がるかもしれない。
かといって、北朝鮮との試合をなかった扱いにするとまた別の問題が発生する。4カ国で構成されるグループHの2位は、5カ国で構成される他のグループに比べて試合数が少ないため、勝ち点計算で不利になるしかない。
つまり、いかなる方法で結論を出しても、公平性を保つことは難しいということだ。
韓国サッカー協会(KFA)の関係者も「グループH内のことより、2位争いで生じる問題のためにAFCも簡単に決定できずにいるようだ」とし、「自主的に解決することはできず、国際サッカー連盟(FIFA)を経なければならないとも聞いている。公平性を保った結論を出すために悩んでいる」とAFCの苦悩を明かしている。
ひとまず、KFAは北朝鮮の棄権を受けて試合日程をAFCと調整している。まだ予定ではあるが、6月5日、9日、13日をマッチデーに設けているようだ。試合会場は京畿道(キョンギド)高陽(コヤン)市が有力だ。
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