U-24韓国代表、東京五輪直前の強化試合に暗雲…政府は“他種目との公平性”を懸念

東京五輪前に海外国との強化試合を計画しているU-24韓国代表に、暗雲が立ち込めている。

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代表率いるキム・ハクボム監督らコーチ陣、また予備エントリーに含まれた選手36人(海外組除く)は去る5月6日、新型コロナワクチンの1次接種を終えた。接種後、一部は発熱など軽い症状が見られたが、ほかに大きな副作用はなかった伝えられている。

キム監督と韓国サッカー協会(KFA)は現在、オリンピック直前の6月に強化試合実施に向けて力を注いでいる。18人の最終エントリー提出は6月30日までとなっているが、キム監督はその前に26人を招集、国内での強化試合を通じ、最後の選別に乗り出す意思を明らかにしている。

済州(チェジュ)島で招集トレーニングを行い、さらには海外国と強化試合を組む。これが、KFAとキム監督が描く本大会前の理想の“プランA”だ。

(写真提供=韓国サッカー協会)キム・ハクボム監督

「サッカーだけ免除が許されるのは…」「政府はある程度配慮を」

だが、海外国との強化試合には解決すべき問題もある。それは、相手国の隔離免除など政府の協力を仰がなければならないことだ。

キム監督も先日、記者会見で「文在寅(ムン・ジェイン)大統領も五輪チームを最大限支援すると言っている。政府が支援してくれることを望む。 6月に強化試合ができなければ、7月では意味がない」と、政府からの支援を切実に訴えていた。

しかし、5月中旬を迎える今も、文化体育観光部など政府関係当局はU-24韓国代表の強化試合と関連した見解を発表していない。これについてKFA関係者は12日、「文体部とは継続して協議中だ」と述べるにとどまった。

というのも、政府は男子サッカー同様、オリンピックに出場する他種目との公平性を考慮しているためだ。韓国スポーツ界のとある関係者は、「オリンピックにはサッカー以外にも複数の種目で選手が出場する。サッカーだけ海外国の隔離免除が許され、国内で強化試合を行うことには防疫当局も負担を感じているようだ」と”特別扱い”に懸念を示した。

これに対し、ほかの関係者は「他種目は代表選手が長期間選手村で生活しながら、海外で行われた大会にも参加している。それに比べ、サッカーは選手選考の時点から難航したではないか」と反論。「6月の強化試合は大会前最後の実戦機会だ。(選手の)試合感覚のためにも(政府は)ある程度配慮してほしい」と述べた。

“プランB”も考慮されているが…

政府が海外国の隔離免除を承認しなかった場合、U-24韓国代表は“プランB”に切り替える必要がある。現時点では、海外遠征もしくは国内Kリーグチームとの強化試合が考慮されている。

ただ、これらの代替案すらも実現が難しいのが現実だ。

まず、海外遠征時にネックとなる帰国後の隔離期間。これが免除される条件には新型コロナワクチンの2次接種後2週間の経過が必要だが、U-24韓国代表は来る5月27日が2次接種予定日となっている。すなわち、6月中旬以降にならなければ帰国後の隔離が免除されないため、現時点で可能性は低いと言える。

Kリーグチームとの強化試合も困難な見通しだ。

本来、Kリーグは国際Aマッチ期間に一時中断される予定だった。ところが、FCソウルの選手に新型コロナ感染者が発覚したことで数試合の延期が決定。延期分は国際Aマッチ期間に行うと見られているため、対戦相手を探すことは容易ではないだろう。

といっても、一番の理想は前述の通り、国内で海外国と強化試合を行うこと。果たして、政府はU-24韓国代表の切実な訴えに対しどのような判断を下すのだろうか。

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