関東大学サッカーリーグ、「流れに任せて我慢強く」が勝因と関東学院大・石村大監督

2021年05月02日 サッカー #玉昌浩

5月1~2日、「JR東日本カップ2021第95回関東大学サッカーリーグ戦」第5節が行われた。

5月1日に行われた関東学院大学と東海大学の試合は、後半8分に関東学院大学がスローインからゴール前に押し込み、長澤シバタファリのシュート性のボールを、ゴール前で力武巧がスライディングでコースを変え、先制する。これが決勝点となり試合は1-0で関東学院大学が勝利を収めた。

試合後、関東学院大学・石村大監督は、ハイテンポで縦に速い東海大学への対応について、「いつもどのチームとやってもゲームが落ち着くのは10分、15分から。15分くらいから少しずつお互いにやりたいこと、出したいことをやりながらというゲームになるものだが、今日のゲームは30分、下手すれば前半ずっと落ち着かないかもしれないと、試合前から選手たちに話していた」とし、「だから、早く自分たちの流れを作りたい、やりたいことやりたいとは考えるなと。ある程度流れに身を任せて、無理やり自分たちから、ということはしなくていいと伝えた」と話して前半をスタートしたという。

ただハーフタイムには、「残り45分、これを続けてもなかなか勝ち点3にはなりづらいから、後半は相手陣地でボールを動かして保持するということにトライしよう」と言って後半に入った。

勝因については、「今日は自分たちのサッカーをやるというよりも、勝つために耐えないといけない。相手が縦に速いことに対し、自分たちもそこから逃げたり、避けたり、何かを力づくで変えようとするのではなく、ある程度流れに任せてそのなかで少しでも自分たちのペースや時間が作れればトライしようというところを、選手たちが我慢強くやってくれたこと」を挙げた。

さらに、無失点でゲームを締めたことについて、「ワンタッチの蹴り返しというところはわかってはいても難しい。綺麗な良いパスというより、むしろ悪いアバウトなボールのほうが、相手にとっては良いパスで、自分たちが常識と思っていることが、東海大にとっては非常識。逆に彼らからすれば、彼らの常識が、僕らの非常識だったりする」と説明。

「東海大にとっては、東海大の色を全面に出したゲームだと思う。特に最終ラインのアバウトなワンタッチの蹴り返しという難しい部分を常に頭に入れて、いつも以上にアラートにプレーしないと、体がうしろ向きでもボールが出てくる。普通なら前向きで味方とコミュニケーション、コンタクトが取れることが判断の基準になるのだが、逆に東海大は見てなくても、前の選手がそのボールに反応するというところがチームとして戦術的になっているので、そういう難しい対応がいつも以上にあったが、本当にディフェンスが良く頑張って集中力を切らさずにやり続けてくれた」と称賛した。

5月2日には、早稲田大学と流通経済大学の試合が行われた。試合は開始直後に流通経済大学・満田誠がタッチライン付近でボールを奪って菊地泰智につなぎ、菊地泰智からボールを受けた佐藤響が右足ダイレクトでゴールに流し込み、流通経済大学が先制する。

「目が覚める、かなりショッキングな1点だった」という早稲田大学・外池大亮監督は、前半の途中から杉田将宏と丹羽匠のポジションを変更。それにより、「役割がはっきりした。相手の真ん中の3枚に対してバランスを整えられ、少し押し込める時間が出てきた」(早稲田大学・外池大亮監督)という前半26分、柴田徹のクロスを、加藤拓己が倒れ込みながら頭で合わせ、早稲田大学が同点に追いつく。

さらに早稲田大学は前半45分の丹羽匠のゴールで逆転し、前半を折り返す。早稲田大学は「ハーフタイムに守備のケアを徹底し、後半はボールを持たれても、“愚直に謙虚に”バイタルのところをしっかり締めて対応」(早稲田大学・外池大亮監督)。後半を無失点で抑えた早稲田大学が2-1で勝利を収めた。

試合後、流通経済大学・中野雄二監督は、「加藤拓己のところにすんなりボールが入るのが嫌だった。結局この試合のポイントは加藤拓己の同点ゴールだった」と試合を振り返った。

第5節の結果は以下の通り。

【1部リーグ】
順天堂大学 3-2 拓殖大学
明治大学 2-1 慶應義塾大学
法政大学 1-0 国士舘大学
早稲田大学 2-1 流通経済大学
駒澤大学 4-0 立正大学
桐蔭横浜大学 0-2 筑波大学

【2部リーグ】
関東学院大学 1-0 東海大学
日本体育大学 0-0 立教大学
専修大学 1-1 日本大学
中央大学 1-1 神奈川大学
産業能率大学 0-3 東京国際大学

(文=玉 昌浩)

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