南野拓実の元同僚、ファン・ヒチャンが初挑戦のブンデスで活躍できないワケ

ドイツ・ブンデスリーガでの初シーズンを送っているファン・ヒチャン(24、RBライプツィヒ)が壁にぶち当たっている。

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ファン・ヒチャンは11月1日(日本時間)に行われたリーグ第6節ボルシア・メンヒェングラートバッハとのアウェー戦で後半20分に途中出場したが、またしても結果を残せなかった。

3試合ぶりの出場となったが特筆すべき活躍は見せられず、チームも0-1で敗れた。リーグ5試合無敗(4勝1分)の記録が途切れ、10月29日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)のマンチェスター・ユナイテッド戦に続いて2連敗となった。

ファン・ヒチャンのブンデス初挑戦は現在、非常に厳しいものとなっている。選手としてステップアップのためにオーストリアからドイツへと活躍の場を移したが、ここまで期待通りとはなっていない。

今シーズンの全コンペティションを合わせても、6試合234分しか出場できておらず、平均出場時間は40分を切っている。先発出場は10月12日に行われた国内カップ戦の1試合のみで、残り5試合はすべて途中出場だ。事実上、主力選手を休めるためのローテーションメンバーの扱いとなっている。

ファン・ヒチャン

輝けない、さまざまな要因

ファン・ヒチャンは昨シーズン、オーストリアのレッドブル・ザルツブルクで16ゴール22アシストを記録するなど、エース級の活躍を見せ、今季からRBライプツィヒに移った。

今シーズンはまだ序盤だが、ユリアン・ナーゲルスマン監督の組織的な戦術に溶け込めずにいる。若干33歳の青年監督が描く戦術は決まりごとが多く、先進的なものとして世界中で注目されている。

また新規加入選手が多いため、チーム内競争が激しい点も負担となっている。限られた時間で結果を出さなければならないという焦りがピッチ上でもあらわれており、チームメイトとの呼吸も合っていない。

昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)で、世界最高峰のCBとの呼び声高いフィルジル・ファン・ダイク(29、リバプール)を抜き去ったときのような輝きは消え失せている。

ナーゲルスマン監督は現地メディアとのインタビューで、「攻撃だけでなく(ボールを取られた直後の)守備への切り替えのタイミングも掴まなければならない。この部分がファン・ヒチャンの足りない点」と述べている。

現代サッカーでは攻守がシームレスとなっており、明確な切り替えポイントは存在しない。特にライプツィヒの戦術では、ボールを失った瞬間、すぐにゲーゲンプレスでボールを取り返す作業が始まる。攻守の切り替えが速く、攻守両面で決まりごとが多い戦術のため、選手一人ひとりの戦術理解度がより重要となってくる。

さらに、ドイツはオーストリアよりもリーグとしてのレベルも上なので、その部分の感覚をアジャストしていく作業も重要だ。

ファン・ヒチャンはこの壁を乗り越え、サッカー選手としてレベルアップしてこそ、元同僚である南野拓実のようにビッグクラブへの移籍も見えてくるはずだ。

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