阪神タイガースでも活躍した韓国人投手・呉昇桓(オ・スンファン/43)のプロ生活21年を締めくくる現役ラストマッチが、ついに本日(9月30日)行われる。
サムスン・ライオンズは9月30日、本拠地の大邱(テグ)サムスン・ライオンズ・パークでKIAタイガースと対戦する。KIAとの今季対戦成績は7勝7敗。レギュラーシーズン4位死守へ絶対に負けられない一戦だ。
勝利が求められる理由はそれだけではない。この日が呉昇桓の“引退試合”だからだ。韓国KBOだけで通算427セーブ、日米韓で通算549セーブを積み上げたレジェンドは、今年8月6日に今季限りでの現役引退を表明。サムスンで着用した背番号「22」は永久欠番が確定している。
だからこそ、現役ラストマッチでの登板に期待が集まる。引退発表以降に登板はなく、エントリーにも入らず。この期間は一軍に帯同していたものの、各球場での引退ツアーイベントに参加するのみで、マウンドに上がることはなかった。
だが、本日の試合は状況が異なる。当初は「エントリー変更なし」としていたサムスンは、その後「特別エントリーとして呉昇桓を登録した」と発表した。引退試合で呉昇桓の一軍登録が実現したのだ。
特別エントリー制度はKBOで2021年より導入されたもので、米メジャーリーグの「1日限定登録」にあたる。引退試合を行う選手に関して、規定人数を超えて一軍に登録することができ、翌日には自動的に抹消される仕組みだ。
呉昇桓もこの制度を通じて一軍に復帰。仮に登板すれば記録として認められる。あと1セーブを加えれば、日米韓通算で節目の「550セーブ」に到達する。
本人は一貫して「記録よりチームが大事」と強調してきた。それでも、今回が本当に最後の舞台だ。残り1セーブを加えるだけで、「550セーブ」で有終の美を飾れる。
とはいえ、そのためにはサムスンがリードして終盤を迎え、ベンチが起用を決断しなければ実現しない。呉昇桓の登板がなされるかどうかは、現時点では不透明だ。
仮に呉昇桓がクローザーとして登板して、記念すべき通算550セーブ目を挙げられれば、サムスンとしても最高のシナリオとなることは間違いない。NPBの舞台でも活躍した“石直球”の最後の雄姿を、マウンド上で期待したい。
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