韓国プロサッカーKリーグで、「1試合1チーム4人退場」という前代未聞の事態が発生した。
9月28日、済州(チェジュ)ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第31節の済州ユナイテッド対水原(スウォン)FCの試合は、アウェイチームの水原FCが4-3で勝利した。
この試合では、ホームチームの済州が90分間で4人退場者を出すという韓国プロサッカー史上初の不名誉な記録を残した。
一人目の退場は、1-1の同点で迎えた前半34分。済州DFソン・ジュフン(31)がプレーと無関係な場面で水原FCのシリア人FWパブロ・サブバッグ(28)の顔面を左腕で殴打し、主審が一発退場を宣告した。同シーンが済州のペナルティエリア内で発生したためPKとなり、これをサブバッグが冷静に沈め追加点を許した。
後半は両チーム点の取り合いで水原FCが4-3とリードしたなか、後半アディショナルタイムに退場者が連発。まず、GKキム・ドンジュン(30)が自身のボールロストをサブバッグに奪われた際、エリア外で彼を阻止しようと手でボールを触ってしまう。前半にイエローカードを提示されていたキム・ドンジュンは当初、累積警告で退場となったが、その後VARの介入でレッドカードでの一発退場と訂正された。
その後、DFアン・テヒョン(32)が判定に対する抗議で退場。以降は観客乱入で場内が一時騒然としたなか、済州のスローインを妨害しようとしたサブバッグに対し、交代でベンチに下がっていた済州MFイ・チャンミン(31)が飛び出して体当たり。これでイ・チャンミンにも退場が宣告され、済州は1試合で4人の退場者を出すことになってしまった。
済州は成績不振によってキム・ハクボム監督が辞任し、アシスタントコーチのキム・ジョンス氏が監督代行として指揮を執っていたなか、これでリーグ戦4連敗。引き分けも含め直近8試合未勝利(2分6敗)とし、第31節終了時点で8勝7分16敗、勝ち点31の12チーム中11位で足踏みした。自動降格圏内の最下位・大邱(テグ)FCが10位の蔚山(ウルサン)HD FCと引き分けたことで勝ち点23とし、8ポイント差に縮められた。
来る10月3日の次戦、済州は首位を独走する全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースをホームに迎えるが、主力4人を欠いた状態で試合に臨まなければならなくなった。
なお、Kリーグでは過去に1996年11月16日の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス対蔚山の試合で水原三星の選手3人が退場)、同年4月10日の全南(チョンナム)ドラゴンズ対済州の試合で全南の選手3人が退場、2002年9月25日のFCソウル対釜山(プサン)アイパークの試合で釜山の選手3人が退場、2012年9月26日の慶南(キョンナム)FC対釜山の試合で釜山の選手3人が退場など、「1試合1チーム3人退場」の事例はあったが、「1試合1チーム4人退場」は今回が史上初の事例となった。
(記事提供=OSEN)
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