韓国プロ野球で“1試合5死球”、乱闘寸前の事態が起きた。
4月23日、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで行われた斗山(トゥサン)ベアーズ対キウム・ヒーローズは、ビジターチームの斗山が8-2で勝利した。
この日、斗山の先発投手キム・ユソン(23)は慢性的な制球難に苦しみ、序盤からキウム打者へ意図しない“危険球”を投げ続けた。
2回裏、ヤシエル・プイグ(34)を死球で出塁させると、続くイム・ジヨル(29)にも頭部方向へ150kmのストレートを投じた。
イム・ジヨルは四球で塁に出たが、キム・ユソンに向かって指を2本立てる反応を見せた。プイグに続き2人連続で危険球を与えたことへ不快感を示したものとみられる。
対するキウムの先発投手キム・ユンハ(20)も4回表、一死二、三塁のピンチでパク・ジュニョン(27)に死球を与え、その後の満塁の場面ではオ・ミョンジン(23)の内野ゴロの間に1失点を喫した。
問題の場面は、4回裏のキウムの攻撃で起きた。先頭打者ルーベン・カーデナス(27)が四球で出塁し、続くチェ・ジュファン(37)が逆転となる2ラン本塁打を放った。
その後のプイグの打席で、キム・ユソンが初球に投じた148kmのストレートがプイグの顔面付近に飛んだ。これを辛うじて回避したプイグは、バットを手にしたままキム・ユソンに向かって歩き出し、怒りを爆発させた。最初の死球は我慢したが、今回の危険球には我慢できない様子だった。
マウンドへ向かうプイグを見て、斗山の捕手ヤン・ウィジ(37)がすぐに制止を試みた。その瞬間、両軍ベンチから選手が一斉にグラウンドへ飛び出し、一触即発の事態が発生した。
幸いにも衝突は起きなかった。プイグとキム・ユソン両選手ともすぐに感情を落ち着かせ、両チームの選手も再びベンチに戻り、騒動は1分程度で収束した。
ただ、キム・ユソンは主審からビーンボール性の投球と関連した警告措置を受け、チェ・ジュンホ(20)にマウンドを譲った。制球難で乱闘寸前の事態まで引き起こしたキム・ユソンは、3回を投げて1被安打、1被本塁打、3与四死球、3奪三振、2失点の内容で早期降板した。
もっとも、両チームの“死球パレード”はこれで終わらなかった。
チェ・ジュンホは同じ4回裏にキム・ジェヒョン(32)へ死球を与え、イ・ヨンハ(27)も7回裏、二死一塁でカーデナスに153kmの剛速球をぶつけた。イ・ヨンハの死球も故意ではなかったとはいえ、カーデナスはあまりの痛みに悶絶する様子を見せた。
斗山打線にも“死球の被害者”が生まれた。9回表、先頭打者で登場したヤン・ソクファン(33)が、キウム投手パク・ジュソン(24)の初球144kmのストレートで死球を得て出塁。その後、キム・ジェファン(36)の安打で一死一、三塁とし、カン・スンホ(31)の犠飛で勝利を決定づけた。死球による出塁を見逃さず、得点につなげたわけだ。
結局、この日の試合で両チーム合計5つの死球が生まれた。斗山は先発のキム・ユソンにはじまりリリーフのチェ・ジュンホとイ・ヨンハ、キウムもキム・ユナとパク・ジュソンが死球を与えた。
ただ、斗山は大荒れの試合展開でもキウムを破り、直近3連敗と高尺スカイドームでの3連敗を止めた。
(記事提供=OSEN)
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