大谷翔平擁するロサンゼルス・ドジャースが衝撃の6連敗に沈むなか、キム・ヘソン(26)が途中出場ながら唯一の光を放った。
俊足と集中力、そして全力疾走でチームに最後の希望を灯した。
キム・ヘソンは7月10日(日本時間)に行われたミルウォーキー・ブルワーズ戦に途中出場し、1打数1安打1盗塁の活躍を見せた。打撃の調子はやや落ちていたが、この日は俊足を活かして内野安打を記録。シーズン打率を.333に上昇させた。
試合の流れを変えたのは7回表の場面。1-1の場面でテオスカー・ヘルナンデスが四球で出塁すると、キム・ヘソンが代走として起用された。
続く大谷翔平の打席で、キム・ヘソンとミゲル・ロハスは意表を突いたダブルスチールを成功させ、さらにムーキー・ベッツの犠牲フライで勝ち越し点を挙げた。この代走起用が鍵となった。
9回表には打席にも立った。先頭打者としてバッターボックスに立ったキム・ヘソンは、左腕ジャレッド・ケーニグの内角カーブを引っ張って一塁方向へゴロを放つと、快足を飛ばして内野安打に変えてみせた。
深い位置にいた一塁手が自らベースカバーを試みたものの、それを上回るスピードでキム・ヘソンが先にベースを踏んだ。まさに“足で稼いだ一本”だった。
しかし、キム・ヘソンの奮闘も実らず、ドジャースは最終的に2-3で敗れ、6連敗の泥沼にはまり込んだ。この日も打線は沈黙を続けた。
チームのヒットはわずか5本。1~4番を務めた大谷、ベッツ、ウィル・スミス、フレディ・フリーマンは、揃って計15打数無安打に終わっている。追加点を奪えないまま延長10回裏へ突入し、ジャクソン・チョーリオにサヨナラ打を浴びてゲームセットとなった。
この試合でキム・ヘソンはセンターの守備にも就いた。本来は内野手としてプレーしているが、久々の外野守備も安定した対応を見せた。
途中出場ながら、走塁・打撃・守備のすべてで少なくないインパクトを残したキム・ヘソン。その活躍は苦しい状況が続くドジャースにとって、数少ない収穫となった。
この日の敗戦により、ドジャースはナ・リーグ西地区の首位こそ守ったものの、2位サンフランシスコ・ジャイアンツとの差はわずか5ゲームに縮まった。本日(7月12日)11時(日本時間)からは、そのジャイアンツと上位対決だ。
不安を抱えるチームにとって、キム・ヘソンというカードが頼れる最有力の武器となりつつある。
◇キム・ヘソン プロフィール
1999年1月27日生まれ。韓国・京畿道出身。身長178cm。韓国のプロ野球選手。ロサンゼルス・ドジャース所属。高校卒業後の2017年にネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)でプロデビューし、2021~2024年の4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。2025年1月3日、ドジャースと3年総額1250万ドルで契約した。韓国代表では2021年東京五輪、2023年WBC、2023年杭州アジア大会、2023年アジアプロ野球チャンピオンシップなどに出場。登場曲は自身の名前「ヘソン」にちなんで、アニメ『BLEACH』のエンディング曲で知られる歌手ユンナの人気曲『ほうき星』韓国語版の『ヘソン(彗星)』。
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