実力と人間性を兼ね備えた“野球天才”大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)が、再び温かい場面を演出した。
ややもすると頭部に危険球が直撃する大事故になりかねなかったが、顔をしかめることもなければ、相手投手を睨むこともなかった。むしろ笑顔を見せ、ベンチの仲間たちを落ち着かせていた。
大谷は4月25日、本拠地エンゼル・スタジアムで行われたオークランド・アスレチックス戦で「3番・指名打者」として先発出場した。
“その場面”は1回に生まれた。二死でこの試合最初の打席に立った大谷は、1ボールから相手先発ケン・ウォルディチャック(25)が投じた球に驚いて思わず体をのけぞらせた。
ウォルディチャックが投じた137kmのチェンジアップが、大谷の頭部付近に向かって飛んできたのだ。驚いた大谷は声を上げて顔を後ろにのけぞらせた。幸いにも大谷に球は当たらなかったが、勢いよく避けたため一塁ファウルエリア付近までしばらく走った。とっさに顔を振って避けたことで、ヘルメットは頭から外れていた。
頭部直撃となりかねなかった危険な状況が起きたことで、エンゼルスのファンは相手投手に激しいブーイングを浴びせた。しかし、当の大谷本人は再び打席に戻り笑顔を浮かべた。
また、両腕を上げ下げして「大丈夫だ」と意志表示をし、ベンチのチームメイトを落ち着かせた。ややもすると乱闘になりかねなかった状況を自制させたのだ。
こうした大谷の成熟した行動に、現地アメリカのファンは「両チームの選手が興奮しないよう、手を上げて自制させた」「怒るわけでもなく、余裕ある表情だった」と褒め称えていた。大谷はその後、捕手の打撃妨害で一塁に進むも、盗塁に失敗しアウトとなっていた。
この日、大谷は4打数1安打、1四球、1得点を記録。エンゼルスは延長10回の末10-11で敗れた。
(記事提供=OSEN)
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