トッテナムが、キャプテンの韓国代表FWソン・フンミン(32)に対する人種差別発言をしたウルグアイ代表MFロドリゴ・ベンタンクール(27)への処分に控訴するようだ。
トッテナムは11月20日、公式SNSを通じて「イングランドサッカー協会(FA)によるロドリゴ・ベンタンクールへの出場停止処分の期間に対し、クラブが控訴したことを報告する」とし、人種差別発言をしたベンタンクールに対するFAの国内戦7試合出場停止処分に異議を申し立てることを発表した。
FAは去る18日、ベンタンクールに国内戦7試合の出場停止処分及び10万ポンド(日本円=約1953万円)の罰金処分を下したことを発表した。
ベンタンクールは今年6月、母国ウルグアイのテレビ番組『Por la Camiseta』に出演した際、MCからソン・フンミンのユニホームが欲しいとせがまれて「ソニー(ソン・フンミン)の従弟のユニフォームを持ってきてもわからない。みんな同じように見えるから」と発言し、物議を醸した。
ベンタンクールの発言は明白な人種差別だ。“東洋人は皆似ていて、区別できない”という誤った認識を与える典型的な人種差別発言だった。
同様の処分事例もある。練習試合中、韓国代表FWファン・ヒチャン(28、ウォルヴァーハンプトン)に人種差別発言をしたイタリア人DFマルコ・クルト(25、チェゼーナ)は国際サッカー連盟(FIFA)から10試合の出場停止処分を受けた。ベンタンクールの発言は疑いの余地のない人種差別だ。
ところが、トッテナムはチームのキャプテンであるソン・フンミンが人種差別を受けたにもかかわらず、その処分を認めることができないようだ。
トッテナムは「判決は尊重するが、処分が過剰だ」という立場を明らかにしたが、ファン・ヒチャンの事例と比べても、ベンタンクールの処分レベルは決して高くはない。トッテナムの動きが疑問視される理由はそこにある。
ソン・フンミンは韓国やアジアを越え、イングランド、欧州全体で高い認知度を誇るスーパースターだ。
何より、ベンタンクールはソン・フンミンのチームメイトだ。ソン・フンミンはトッテナムを代表する選手としてキャプテンを担っている。人種差別そのものが問題だが、被害者がソン・フンミンであることを忘れてはならない。
事が大きくなると、ベンタンクールは自身の人種差別発言を謝罪。「私の言葉によって不快感を感じたのであれば、心から謝罪する。間接的であれ、直接的であれ、誰も不快にさせるつもりはなかった」と伝えていた。
しかし今回、クラブが処分に控訴するという“呆れた発表”によって、ベンタンクールの人種差別騒動は尾を引くことになりそうだ。
前へ
次へ