今年の夏の甲子園優勝校が決まった。
8月23日に行われた第106回全国高校野球選手権大会・決勝で、京都国際高校が関東第一高校を延長10回末に2-1で破り、初の甲子園優勝を果たした。
試合は終始張り詰めた投手戦だった。両校の先発投手は9回までに1点も与えず、2時間も経たないうちに史上初となるタイブレークによる延長戦に突入。
試合が動いたのは、9回裏の二死満塁の危機を乗り切った京都国際の10回表の攻撃だった。 京都国際は無死満塁で押し出し四球、犠牲フライで2点をもぎ取ると、その裏の関東第一の攻撃を西村一毅投手が1点で抑え、試合を締めくくった。
同校は在日コリアンが通う「京都韓国学園」を前身とし、2004年に学校教育法第1条の認可を受け、現在の「京都国際中学・高校」となった。現在は全生徒の90%が日本人である。同日、決勝進出を果たしたメンバーも全員日本人だ。
野球部は1999年に創部し、2021年に初めて夏の甲子園で準決勝まで進んだ。2022年は本大会に出場するも1回戦敗退、昨年は京都大会準々決勝で敗れ、本大会出場を逃していた。
同校の野球部出身者には、韓国プロ野球KBOリーグで活躍した選手も多い。元LGツインズの荒木治丞(ファンモク・チスン/39)と鄭圭植(チョン・ギュシク/34)、元広島東洋カープ、ハンファ・イーグルス、斗山ベアーズの申成鉉(シン・ソンヒョン/33)などがいる。
そのため、今回の初優勝には韓国メディアも注目。「韓国系京都国際高校、甲子園初優勝“奇跡”…決勝2-1勝利」(『聯合ニュース』)、「【速報】韓国系京都国際と日本甲子園初優勝…決勝2-1勝利」(『JTBC』)、「韓国系京都国際高校、ついに新しい歴史を書いた…“一死満塁の危機脱出”、創部初優勝」(『イルガンスポーツ』)などと、大々的に報じられている。
特に、本サイト提携メディア『OSEN』は、「“トンヘパダを渡って”韓国系京都国際高校、日本甲子園大会優勝の快挙…二度の満塁の危機克服」と題し、「日本全域が注目する甲子園決勝戦で“トンヘパダ渡って”で始まる韓国語の校歌が鳴り響いた」と、優勝後にも注目した。
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