韓国は大谷に憧れている場合ではない…WBCで失墜した韓国球界が真っ先に着手すべきこと

アメリカには野球選手のための多様なプログラムと、専門性の高いコーチたちがともに存在する。学校の部活で選手を育てている韓国でも、アメリカ同様にレベルの高いコーチングスタッフとプログラムの向上が必要だ。

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米『MLB.com』のマイケル・クレア記者は、本紙『スポーツソウル』に「アメリカの多くの学生が、自分の能力を伸ばすために個人レッスンを受ける。彼らは、勉学とスポーツを組み合わせたエリートスポーツアカデミーに登録する」と述べた。

インターネットで「アメリカ野球アカデミー」と英語で検索すると、最も有名なフランチャイズ学院である「アメリカベースボールアカデミー」のサイトが出てくる。同アカデミーは全米に194の教習所を設け、年齢別にプログラムを構成してトレーニングを行っている。

韓国も直近5年で私設野球アカデミーが多くできたが、いまだに学校の部活での育成が主流だ。

基礎がなってない韓国野球とその理由

しかし、韓国の小学校~高校の野球部は、監督、投手コーチ、打撃コーチがそれぞれ1人ずつ存在する程度だ。バッテリーコーチはプロになって初めて登場することから、基本的なスキルの欠如に繋がる。

そしてメンタルコーチの不在も改めて考える時だ。

2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での不振に対しては、さまざまな原因が指摘されたが、選手たちのメンタルが安定しなかったことも大きな要因とされている。

クレア記者も韓国の早期敗退について「韓国投手たちが動揺していた。韓国ならではの投球は試合で行方不明になった」と評したほどだ。

(写真提供=OSEN)WBC韓国代表

韓国では、さほどメンタルコーチを重要視していない、雇う余力がないなどの理由で存在しない。これはプロも同様なのだが、ほとんどの球団には専門メンタルコーチが常駐せず、提携病院と協約を結んで非常駐の専門医がいるだけだ。

一方、アメリカの場合、コーチングスタッフが細分化されている。クレア記者は「アメリカはこの10年間、すべてのレベル(幼少~成人)でより多くの精神技術プログラムを開発し、メンタルコーチを雇用してきた」と話す。

「韓国ならではの投球」が存在しないということも考え直さなければならない。

韓国でプレーする選手たちは、幼い頃から「自分だけの投球」を確立する機会や時間がないのだ。学生選手自らが作る自主練習時間が減ることで、自然に独自のルーティーン確立過程も消えてしまっている。

3月22日、日本とアメリカのドラマチックな決勝には、多くの韓国メディアが驚きを隠せなかった。同日午後、韓国のポータルサイトには「大谷はマンガの主人公」「完璧なシナリオ」「“野球”と書いて“オオタニ”と読む」など、センセーショナルな見出しが多く並んでいた。

だが、褒めるばかりでは虚しいだけだ。韓国野球が基本を失っているという今の状況を正確に把握し、改善しなければ、次回も同じ轍を踏むことは目に見えている。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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