今回の人事を主導したトーマス・ミュラー戦力強化委員長とファン・ボグァン技術本部長は、戦力強化委員会で選任した候補6人や交渉過程などをまともに共有しなかった。特に、クリンスマン監督選任も発表当日に通知したあと、30分後に報道資料を出したという。
ミュラー委員長は2月28日の記者会見で戦力強化委員と十分にコミュニケーションを取っていたと言っていたが、実際の委員の見解がまともに反映されなかったという話が続いている状況だ。
さらに懸念されるのは、ミュラー委員長が新監督の評価基準として言及していた「専門性」「経験」「確実な動機付け」「チームワーク能力」「環境的要因」などにクリンスマンが合致するかについても明確な説明がなかったということだ。
クリンスマン監督は2016年にアメリカ代表の指揮を取ったあと、求職活動に苦労し、2019年にドイツ・ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンの監督の座に就任。しかし、クラブとの関係がうまく行かず77日ぶりで辞任している。
すなわち、クリンスマン監督は現場指導者として6年以上の空白がある。にもかかわらず、ミュラー委員長からはクリンスマン監督の現在の指導哲学や方向性については全く説明されなかったことで物議を醸した。
選手時代の“名声”だけを見ると歴代韓国代表監督の中でも最高水準ではあるが、指導力・戦術などに対して韓国国内はもちろん、海外メディアも懐疑的な声をあげている。
クリンスマン監督の入国に伴い、KFAの選任プロセスなどがある程度明かされるのかにも注目が集まる。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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