現在、ミュラー委員長は戦力強化委員会の委員たちとA代表の監督候補に関する具体的な話をほとんどしていないという。
協会が提示した監督選任のデッドラインが近づくなか、委員たちは候補と関連した具体的な話をまともに聞いたことがないというのが、委員会の事情に詳しい複数関係者の話だ。
大まかな選任過程ブリーフィングをして意見を聞いただけで、どの候補が問題ないのか、いつどのように交渉するのかは、委員長と協会首脳部の一部だけが知っているという。事実上、戦力強化委員会は機能とその意味を失ったわけだ。
このため、委員会内部でも協会の仕事ぶりに疑問を呈す見方が多い。
協会の事情に詳しい関係者は、「一部の委員は不満が多いと聞いている。これであれば、なぜ委員に委嘱したのかわからないというのが彼らの考えだ。事実上の“付添人”と考える委員もいる」とし、「これまでの委員会とは仕事の処理方式があまりに違う。結局、過去のように一人や二人の決定で代表監督を決めるのではないか」と指摘した。
また別の関係者も、「最も重要なことは良い監督、我々に合った指導者を連れてくることだ。これが最も基本にならなければならないが、現在の協会は優先順位が何なのかわからないようだ」と苦言を呈した。
ミュラー委員長のドイツ、欧州ネットワーク活用を極大化し、国内の実情に合った指導者を探すためには、過去の委員会のような集団の議論と評価が必要だ。当初、外国人であるミュラー委員長が国内の委員と円滑に疎通するには、協会内部でこのための労力を使わなければならなかったが、現在の組織でそのような役割を果たせる人も意志もないものと見られる。
ミュラー委員長を前面に出した協会が、最終的にどんな監督を迎え入れるかはまだわからない。
ただ一つ確かなことは、もはや協会の人事システムは失踪してしまっているという事実だ。
またしても過去と同じ状況に陥り、少数の判断に依存するようになった意思決定方式が、韓国サッカーの未来にどのような影響を及ぼすかが憂慮される。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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