韓国Kリーグ1(1部)を5連覇中の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが、浦項(ポハン)スティーラースから韓国代表DFカン・サンウ(28)の獲得を“撤回する”という異例の発表を行った。
2月15日、全北現代は報道資料を通じて「カン・サンウの獲得計画を撤回することで決めた」と発表した。
全北現代は「1月5日に浦項と移籍合意書を締結した後、選手側と1カ月ほど年俸交渉を進めたが、基本給や手当などの年俸条件で意見の差を縮めることができず、浦項との協議を通じて獲得計画を撤回した」と伝えている。
全北現代によると、最近改正された韓国プロサッカー連盟の規定に基づき、カン・サンウと協議を進め、浦項とはクラブ間合意にも至った。
ただ、その後選手側が海外クラブと二重で交渉を進めたり、交渉終了を一方的に伝えたりするなどしたため、選手との信頼関係維持が困難であると判断し、今回の決定を下したという。
「チームへの入団義務を主張する案も検討したが、浦項残留を希望する選手本人の意思を尊重することにした」という全北現代は、「今季の戦力補強計画に支障をきたすことになったが、獲得を強行することは選手の意思を尊重する全北現代の補強政策と合致しないと判断した」と付け加えた。
1993年10月7日生まれのカン・サンウは、右利きながら左サイドバックを主戦場とする選手。2014年に浦項でプロデビューした後、兵役義務遂行のため尚州尚武(サンジュ・サンム/現・金泉尚武)でプレーした2019シーズン~2020シーズン途中までを除き、浦項一筋で活躍してきた“ワン・クラブ・マン”だった。
特に2021シーズンは背番号10番を着用。副キャプテンにも就任し、チームをアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準優勝に導く活躍を披露。Kリーグ1でも37試合4ゴール8アシストの活躍で年間ベストイレブンにも選ばれていた。
今回の全北現代移籍が破談になったことで、カン・サンウはひとまず浦項に残留するものとみられている。
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