レースを終え、長引く審判の判定後、あっけない失格処分が相次いだ北京冬季五輪ショートトラックの“不公平な”判定に対して、韓国選手団が国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴することを決定した。
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韓国だけでなく、今回のショートトラックに出場したすべての国が共感できるほど、「中国無罪、非中国有罪」の判定がもたらす波紋に注目が集まっている。
北京五輪に出場中の韓国選手団は、2月7日に行われたショートトラック男子1000m準決勝に対して、国際スポーツ仲裁裁判所に提訴することを決定した。この日、準決勝で韓国のファン・デホン、イ・ジュンソは、それぞれ1位と2位でフィニッシュラインを通過後、突然失格になった。
大韓体育会は「2月8日午前、北京冬季五輪メディアセンターでユン・ホングン選手団団長の緊急記者会見を開き、CASに関連事項を提訴することにした」とし、「今回の判定の不当さを公式化し、二度と国際スケート界とスポーツ界で韓国選手たちに不幸な出来事がないよう最善を尽くす」と明らかにした。
ファン・デホンとイ・ジュンソの失格理由は、レーン変更時の反則で、有力なメダル候補だった韓国選手たちの決勝進出を阻んだ審判は、手の反則を積極的に使った中国選手たちをすべて決勝に進出させた。我田引水の判定は、決勝でも続いた。
共に決勝戦に進出した“ハンガリー兄弟”の兄シャオリンサンドル・リュウが1位でレースを終えたが、彼にも韓国選手が受けたレーン変更時の反則などが適用され、イエローカードとなり、メダルを奪われた。
選手とスタッフの衝撃はもちろん、これを中継していた各放送局のショートトラック選手出身の解説委員も「これは何なのか」「本当にあきれる」「いったい何が問題なのか」と戸惑いを隠せなかった。
試合が終わった後、審判の判定が長引くと、すでに顔色が良かった中国側は、メダルの色が変わると号泣し、ひんしゅくを買った。解説委員たちさえ、「本当に恥ずかしくないのでしょうか」と憤慨した。
特に金メダルの主人公となった中国の任子威は、フィニッシュライン前でシャオリンサンドル・リュウの腕を引っ張ってぶつかり、むしろ“格闘技級”の反則を敢行したが、いかなる反則判定も受けなかった。
スポーツマンシップが感じられない競技運営で、無理なメダルがあふれた。さらに同日の決勝戦は、氷上に正体不明の物質が落ちており、レースを半分以上進行した状態で競技が中断され、選手たちは決勝戦をもう一度行わなければならなかった。1000mの決勝戦で、1500mを消化したわけだ。Aファイナルでは見ることができない大会運営だった。
そのため2回目の試合に出た選手たちは、最高のコンディションで試合に臨めなかった。決勝戦に入ってきたシャオリンサンドル・リュウと任子威を除いた3人の選手たちは、遠く離れてしばらく後に入ってきた。
なお韓国選手団は競技終了後、ショートトラック審判委員長に強く抗議し、国際スケート競技連盟(ISU)と国際オリンピック委員会(IOC)に抗議書簡文を発送した。
大韓体育会は、「今回の提訴決定はこれまで血と汗を流して努力した韓国選手たちと、国内で沸騰する偏った判定に対する国民感情などを考慮した」とし、「審判の判定は国際スポーツ界の支持を受けることができず、不公正で透明でない国際連盟と国際審判との関係も総合的に判断した」と、提訴に乗り出した背景を説明した。
韓国選手団は「今回の提訴がこれまで何度も繰り返されてきた韓国選手に対する判定論議と不利益が、繰り返されないきっかけになるだろう」と期待した。
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