「代表?今はチームだけに集中している」
2012年から2014年まで清水エスパルスに在籍し、現在は韓国Kリーグ1(1部)の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスでプレーするDFイ・キジェ(29)は、今シーズン国内で最もホットな選手の1人だ。
3バックを採用する水原三星の左サイドを主戦場とする彼は、左足から放つ鋭いキックで対戦相手を脅かしている。
特に、去る5月9日の第14節全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース戦ではロングレンジから強烈なミドルシュートをゴールネットに突き刺し、首位撃破に貢献。第15節まで終えて全試合に出場し、ウィングバックながら3ゴール3アシストを記録中だ。
去る12日に行われた第15節の済州(チェジュ)ユナイテッド戦でフル出場したイ・キジェ。チームは前半に2失点を喫する厳しい立ち上がりとなったが、後半の一挙3得点で3-2の逆転勝利を収めた。イ・キジェは後半40分のセットプレーでキッカーを務め、逆転弾をアシストする活躍を見せた。
試合後、イ・キジェは「3-2で逆転勝利し、勝ち点3を獲得できて良かった」と喜びを明かすと、「(水原三星が)2点目を決めた時点で流れがこちらに傾いたような気がした。(そのときに)勝てると感じた」と振り返った。
水原三星を勝利に導いたイ・キジェには、チームを率いるパク・ゴナ監督も賛辞を送った。
パク監督は「サッカーに対する態度が良くなり、表情も楽しそうだ」とし、「(韓国の数え年で)30代になるが、実力が急激に付いたわけではない。元々持っていた能力を発揮できている」と称えた。
「20代の頃は一生懸命プレーしようとだけ考えていて、本来の姿を見せられなかった」というイ・キジェは、「入隊以降、余裕を持ってすべきであることを学んだ。気持ちが落ち着いていてこそ上手くできると感じている」と力を込めて語った。
リーグ戦での好調ぶりから、イ・キジェには初のA代表入りの噂も挙がっている。パウロ・ベント監督率いる韓国代表は左サイドバックの人材不足に悩まされているだけに、可能性もゼロではない。
ただ、イ・キジェ自身は気に留めていないようだ。彼は「(A代表のことを考えると)メンタルに影響してパフォーマンスが崩れると思い、気にしていない。今はチームだけに集中している」と話す。
近年国内で低迷が続いた水原三星は、昨年9月のパク監督就任で生まれ変わった。慢性的な弱点と指摘された後半の失点数が減り、最後まで粘りを見せるメンタリティがチーム全体に備わった。
イ・キジェは「監督は選手たちとの団結を強調する。若い選手もたくさん入ってきているだけに、(ベテランの)我々がもっと活躍することが、(チームの)発展につながる部分だと思う」と強調した。
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