元FC東京のMFナ・サンホ(24、FCソウル)が、3年ぶりに再会したパク・ジンソプ監督の下で躍動している。
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ナ・サンホとパク監督は、去る2018年に光州(クァンジュ)FCで初めて息を合わせた。それまでコーチを長く務めたパク監督は初めて指揮官を任せられ、ナ・サンホは2年目として活躍を期待されていたときだった。
当時、パク監督はナ・サンホのポテンシャルと実力を高く評価し、彼を攻撃の主軸に置いて活用した。前線やサイド、2列目をハイレベルでこなしたナ・サンホは、31試合に出場して16ゴール1アシストを記録し、Kリーグ2(2部)得点王とシーズンMVPを受賞していた。
その翌年にナ・サンホが日本へ発ったことで、2人は短い出会いを終えた。ただ、一時途絶えた縁は昨年から再びつながり始めた。
パク監督はソウル赴任時、必ず獲得しなければならない選手としてナ・サンホを挙げた。彼は移籍市場がオープンする前から、ナ・サンホの獲得を望んでいた。当時、同じく獲得を狙っていた全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに“ソウルが先に交渉した後、条件が整えば接触してほしい”と特別に要請するほど積極的だった。
結果的に、2人は3年ぶりに以前と異なるチームで再会することになった。これが、ナ・サンホをパク監督の“ペルソナ”と呼んでもおかしくない理由だ。ペルソナは「他人に把握される自我」を意味するが、プロチームの司令塔として、パク監督のスタイルを体現できる選手がまさにナ・サンホなのだ。
光州FCでともに成長した2人は、ソウルでも良い呼吸を見せている。まだシーズン序盤ではあるものの、ナ・サンホはソウルを代表する前線の選手として確実に位置づけられている。
ナ・サンホは、全北現代との開幕戦でも爆発的なスピードや個人技、驚異的なシュートを放ち、存在感を発揮した。あいにく無得点に終わり、チームも0-2で敗れたが、ナ・サンホの活躍自体は目立っていた。
そして、ナ・サンホは3月7日にホームで行われた第2節水原(スウォン)FC戦で、今度こそ実力を証明した。
ナ・サンホは1-0で迎えた後半6分、キ・ソンヨン(32)の縦パスで相手DFラインの裏に抜け出すと、胸トラップから落ち着いて右足シュートを放ち、リードを広げるチーム2点目に成功した。続く後半34分には個人技から自身2点目も挙げ、勝負を決定付けた。
現在、ソウルはストライカーに悩みを抱えている。パク監督自ら「懸念している部分はストライカーだ。私も悩みが多い」と認めるほどだ。ベテランのパク・チュヨン(35)もいるが、過去のようなパワーやスピード、高さは見せられていない。水原FC戦でも相手の守備に阻まれ、目立った活躍をできなかった。
かといって、獲得できる環境が整っているわけでもないのが、ソウルの事情に詳しい関係者の共通意見だ。そのため、ナ・サンホやチョ・ヨンウク(22)、アレキサンダー・パロチェビッチ(27)ら2列目やサイドの選手で攻撃を組み立てなければならないのが実情だ。
実際に上記の3選手、特にナ・サンホは好調なパフォーマンスを見せ、ソウルの今シーズン初勝利、そしてパク監督のソウルでの初勝利に貢献している。
パク監督は「ナ・サンホに今シーズン期待している部分が多いが、決定的なゴールを決めてくれて感謝していると、お祝いの言葉を伝えたい」と、ナ・サンホを賞賛した。
ナ・サンホのような前線もサイドもこなせる選手が、今シーズンのソウルで最も重要な選手になりそうだ。
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